進次郎農相“次の一手”の勝算…「入札備蓄米」買い戻し→安値で売りなおしでコメ価格は下がるのか
進次郎氏は閣議後の記者会見で「入札米は少し高めの水準だ。扱いに悩んでいる事業者は相談して欲しい」と呼びかけ、記者から、返還された分を随意契約で安く売り渡す考えを問われると「その活用は一つの選択肢だ」と答えている。
24年産と23年産の備蓄米が5キロ2000円台で売られれば、需要も高まり、コメ全体の価格も下がるに違いない。
しかし、はたして狙い通りいくのかどうか。コメ問題に詳しいノンフィクション作家の奥野修司氏はこう言う。
「多くの卸売業者は、政府に買い戻しを要請するかどうか、しばらく様子見だと思います。買った金額で買い戻してくれるとしても、どの程度の手間がかかるか不明だからです。手続きはカンタンなのか、輸送もすべて政府が手配してくれるのか。もし、手間がかかるようだったら買い戻しを要請しない卸売業者もいるでしょう。このまま持っていた方が得かもしれない、と計算する卸売業者もいると思う。端境期の7月にコメが底を突き、需要が高まれば、5キロ3500円でも売れる可能性があるからです。それと、コメ卸売業者にとって、商材であるコメが倉庫から消えることほど怖いことはない。外食産業などと年間契約しているケースも多く、契約を確実に果たすためにも、余分にストックしておきたいと考えるはずです」