「世界の河川 地球科学大図鑑」ジム・ベスト、スティーヴン・E・ダービーほか著 藤岡換太郎監修 中川泉訳

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「世界の河川 地球科学大図鑑」ジム・ベスト、スティーヴン・E・ダービーほか著 藤岡換太郎監修 中川泉訳

 古代文明は、いずれも大河のほとりで誕生した。文明のゆりかごであった河川とそれに付随する河口・三角州は、今も何十億という人々の生活を支え、移動の際には道となり、都市や農業の発展に必要な水や肥沃な堆積物をもたらし、文化や芸術の源にもなり、ある種の宗教においては、神のすみかとしてあがめられている。一方で河川は、さまざまな生命の源であり、多様な生態系を支えてきた。

 人類にとって、そして地球にとってかけがえのないその河川、河口、三角州について、あらゆる視点から解説した豪華ビジュアルテキスト。

 数多くの巨大な支流を持つ世界最大規模の河川、南米アマゾン川は、かつてはまったく違う方向に流れていたという。

 およそ5000万年前に始まったアンデス山脈の隆起により、それまで北西や北に向けて流れていたアマゾン川の進路が逆転。表面地形に段階的に変化が生じ、まずは広大な湿地が形成され、700万年から250万年前にかけて、東向きに進路を変え、大西洋に注ぐようになったそうだ。

 地殻変動や浸食、さらに気候など、ダイナミックなスケールで作用するさまざまな要因を受けて形成されていく河川の仕組みを、写真や衛星画像、各種データを地図に落とし込んだ図版などで解説。

 白亜(石灰岩の一種)の帯水層から湧き出た水による河川で、純度が高くミネラル分も豊富で多様な動植物を育む世界に200河川ほどしか存在しないチョーク・ストリームなど、河川の生態系と生物多様性も多くのエピソードを交えて詳述。

 同様に、河口や三角州についても解説。

 あの複雑で美しい形がどのように生じ、その特徴をコントロールしているものはなにか──。誕生とその変化、そして生物との関係性まで、河川のすべてを網羅した科学図鑑。

(河出書房新社 1万2980円)

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