最強寒波をしのぐのはやっぱりコレ! サウナ・温泉の“ととのう”健康パワー
深部体温上昇でタンパク質が修復される
自宅で水道水を沸かして入浴するときは、体がなかなか温まらない上、すぐに冷める。しかし、温泉は自宅と同じ温度でもすぐに温まり、湯冷めしにくい。より高温なサウナも同様だ。この点については、国際医療福祉大大学院の前田眞治教授が温泉と水道水で比較した研究がある。
それによると、食塩泉、重曹泉、炭酸泉の温泉3種類と水道水をそれぞれ41度に設定し、15分間全身入浴して深部体温を比較。その結果、水道水の深部体温上昇は1度だったが、温泉3種は1.5度で、入浴後も温泉3種は水道水より高い温度をキープしていた。
別の研究では、食塩泉の塩化ナトリウム濃度を0.1%、1%、2%、4%に分けて水道水と比較したところ、塩分濃度が高いほど体温上昇効果は高く、入浴後の保温効果も持続することが実証されている。水道水との違いはここにあった。深部体温の上昇が血液循環をよくし、体にプラスの効果をもたらしているという。富家氏が補足してこう言う。
「人体は生命活動を維持するため、体温は36~37度に保とうとします。いろいろな活動に必要な酵素はその温度で最も活発に働くためです。ところが、温泉入浴で表面温度の上昇を伴って深部体温も上がると、まだ温まっていない部分の血液が温まった部分に流れて熱を運び、汗や呼吸で熱を排出しようとします。それによって血液循環がよくなるのです。一方、深部体温が上昇すると、変性したタンパク質を修復する物質も分泌されます。その物質も血流に乗って体の末梢に運ばれると、ダメージを受けた組織が修復されるのです。深部体温の上昇による血液循環の改善やタンパク質修復機能は、温泉にもサウナにもあります。どちらでも、無理なく温まることはとてもいい」
加齢で潤いを失った肌も温泉に入ると、すべすべによみがえる。これは温泉成分が肌に付着することによる効果だけでなく、タンパク質修復機能による効果もある。タンパク質を修復する物質はヒートショックプロテインと呼ばれ、温熱や感染などで誘導されることが分かっていて、温熱効果の高いサウナでも温泉のように分泌が高まる。サウナでも肌がツルッとするのはそのためだ。
■NK細胞が活性化し、感染症をブロック
寒い冬は、風邪やインフルエンザ、新型コロナなどに感染しやすいが、温泉地で毎日公衆浴場に通う高齢者やサウナを日課にしている人などは、感染症と無縁だったりするのはなぜか。これについても前述の前田教授の研究を紹介しよう。
実は、温熱刺激を受けると、外敵から身を守る働きが作動し、免疫細胞が活発化する。前田教授は、免疫細胞のひとつ・ナチュラルキラー(NK)細胞に注目。NK細胞は主に血液中にいて、細菌やウイルス、がん細胞などを見つけると攻撃を仕掛ける役割で、水道水と塩化物泉に分けて42度で15分間入浴した後のNK細胞の活性を調べた。入浴前を1として比較すると、塩化物泉は2日後にNK細胞の活性が15%上昇したが、水道水は5%低下した。サウナや温泉の常連が感染症しらずなのは、免疫力の高さも一役買っているのだ。
サウナも温泉も続けるほどに効果があるが、決して無理は禁物だ。富家氏が言う。
「サウナの事故で多いのは、脱水による高体温症です。その9割は飲酒が関係しているといわれますから、飲酒後のサウナは絶対にやめましょう。逆にサウナの後に飲酒するときは、まずしっかりと水分補給するのが鉄則です。私も若いときはサウナを利用していましたが、心筋梗塞を経験してからは脱水による再発が怖いので、サウナはやめて、時々温泉地に出かけて楽しんでいます。高血圧や不整脈など循環器系をはじめ持病がある方は医師に相談するとよいでしょう」
サウナでは、周りの人に負けまいと自分にとっての快適な滞在時間を超えて頑張ろうとすることがあるが、無理は言語道断。セット数も決めた回数まで粘り抜くのではなく、不調を感じたら目標回数の手前でも退室するのが英断だ。サウナも温泉も快適に楽しんで体をととのえよう。



















