和歌山県白浜町「パンダの聖地」に残る思い出を巡る(2)白浜のまちを散策しよう
和歌山県の白浜町は、17頭のジャイアントパンダが生まれた「パンダの聖地」だ。出産・飼育頭数は、保護区がある中国本土を除き最も多い。美しい砂浜をたたえる観光地の気候や風土が温和な性格にマッチしたとの見方もある。ツートンカラーの人気者が過ごした南紀の玄関口を訪ねた。
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■新しくなった「パンダくろしお」
新大阪駅〜新宮駅の間を走る「パンダくろしお」は、2017年に運行開始となったラッピング列車。これまで多くのパンダファンに親しまれてきたが、25年11月には「パンダくろしお 『Utopia Smile トレイン』」が新たにデビューし話題になった。
基本デザインを手掛けたのは、世界的アーティストの天野喜孝氏。多様な人、動物、自然が調和しながら生きる未来の世界を表現したという。
現在は「Smile アドベンチャートレイン」「サステナブル Smile トレイン」と合わせて、3種類3編成を運行中。スケジュールは前日の夕方にXアカウント「パンダくろしお運行スケジュール【公式】」で確認できる。
https://x.com/JRpandakuroshio
■太平洋が間近に迫る露天風呂
パンダの息吹をたっぷりと感じた後は、白浜のまちを散策しよう。
白浜温泉は日本書紀にも登場する名湯で、有馬、道後と並ぶ日本三古湯の1つに数えられている。町内には15の源泉と23の温泉(足湯を含む)があり、日帰り温浴を楽しむ客も多い。
中でも外せないのが、太平洋に飛び出した「崎の湯」だ。
源泉は、白浜で最古とされる行幸(みゆき)源泉。堤防沿いに立つ源泉やぐらを抜ければ、受付の建屋が見えてくる。平日の昼間も客は絶えず、出張帰りに立ち寄るサラリーマン客も少なくないという。
吹きさらしの脱衣所から階段を下り、岩に囲まれた露天風呂にそろりと体を沈める。目線の高さが海水面と重なり、雄大な太平洋とひと続きになっているようだ。打ち寄せる波の音、しぶき、遠くに見える船が、旅情を誘う。ゆったりとした時間を過ごせた。
■悠久の流れを感じる絶景スポット
白浜の海沿いでは、長い年月をかけて形成された自然美がさまざまな表情を見せる。白い岩盤がミルフィーユ状に連なる千畳敷(せんじょうじき)は、1800万〜1500万年前にできた海の底の地層が隆起したもの。時間をかけて太平洋の荒波に浸食された表面は、ツルッと丸みを帯びている。
南に歩くと、ゴツゴツとした岩肌があらわになった三段壁(さんだんべき)。こちらは波の浸食によって作られた高さ30メートル超の断崖絶壁だ。その表面の一部は、鉄や銅などの金属成分が染み出し黄色や茶褐色に変色している。自然が施したグラデーションは規則性がなく美しい。
エレベーターで岩の下に降りると洞窟があり、1周200メートルの歩道からは波が岩で砕ける光景を見られる。源平合戦の頃、源氏方の熊野水軍が船を隠していたとの逸話も残る場所。水軍を率いたのは武蔵坊弁慶の父親だ。
北に向かえば、620メートルの真っ白な砂浜が続く白良浜(しららはま)。関西屈指の美しいビーチである。太陽を浴びてキラキラと輝く砂と、エメラルド色の海のコントラストは、友好姉妹浜提携を結ぶハワイのワイキキにも劣らぬまぶしさ。冬期は夜間に「SHIRARAHAMA Light Parade」を開催(3月15日まで)、音と光のイルミネーションで飾り、幻想的なシーサイド空間を演出している。カップルはもちろん家族連れにも人気だ。
白良浜からさらに北に向かうと、海の上に浮かぶ円月島(えんげつとう)が見えてくる。真ん中に円月形の穴がぽっかりと開いた小さな島。春分の日と秋分の日の前後は、海に沈む太陽が穴と重なる絶景が見られるそうだ。
住所:白浜町1668
電話:0739-42-3016
https://www.nankishirahama.jp/spot/546/



















