和歌山県白浜町「パンダの聖地」に残る思い出を巡る(3)グルメスポットや白浜の新しいブランドも
和歌山県の白浜町は、17頭のジャイアントパンダが生まれた「パンダの聖地」だ。出産・飼育頭数は、保護区がある中国本土を除き最も多い。美しい砂浜をたたえる観光地の気候や風土が温和な性格にマッチしたとの見方もある。ツートンカラーの人気者が過ごした南紀の玄関口を訪ねた。
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■とれたて新鮮な海の幸
崎の湯と白良浜の間の海沿いにある「フィッシャーマンズ・ワーフ白浜」は漁師直営の観光スポットで、水揚げされたばかりの海の幸を存分に楽しめる施設だ。まずは1階の海鮮市場で「特特上海鮮丼」を注文。アワビやマグロ、タイ、シマアジ、シラスなどとれたての新鮮食材がてんこ盛りになった丼で、この日は伊勢エビのお造りまで付いていた。これで料金は3628円とコスパが高い。かつては外道とされたウツボをかば焼きにした「うつぼ丼」は、肉厚の白身が甘いタレと絡まり、上品なうまさ。思わぬ発見に驚かされた。「うつぼのだんご汁」がセットで1800円は、試す価値ありだ。
2階に和食ダイニング、3階にビアガーデンを併設。手ぶらで体験できる釣りプランや漁船によるクルージングも受け付けている。
住所:白浜町1667-22
電話:0739-43-1700
https://fw-sh.com
■老舗和洋菓子店の海が見えるテラス席
1933年創業の福菱は、白浜の銘菓「柚もなか」「かげろう」で知られる老舗の和洋菓子店だ。その本店は2016年に改装され、海を眺めながら食事やスイーツを楽しめるテラス席が心地良い「Kagerou Cafe(かげろうカフェ)」を併設した。創業家の4代目となる会長の福田裕希さんは「フランスのニースのカフェみたいでいいでしょ? 見えるのは静かな内海なので、社員にも『テラス席なんていらない』と反対されましたが、絶対につくりたかった」と笑う。
人気のカツサンドは会長の自信作。ジューシーなヒレ肉を薄々の衣で揚げて、トマトとタマネギと一緒にトーストに挟んだ。使用するパンはミリ単位で厚さを調整、ペロッと軽やかに食べられるように仕上げた。
ボロネーゼも会心の一皿だ。パスタのメニューはこれだけで、「もちろんナポリタンだって作れますが、本当に食べて欲しいものだけに絞りました」(福田さん)。
本店限定の「生かげろう」は夕方には売り切れてしまう。早い時間に訪れたい場所だ。
住所:白浜町1279-3
電話:0120-42-3128
https://fukubishi.co.jp
■地元産食材にこだわる薪火料理店
白良浜から歩いて3分の白浜銀座商店街は、30以上の飲食店が軒を連ねるグルメスポットだ。その一角に店を構える「ミルク&ビアホール 九十九」は、連日、地元客で賑わう薪火焼きのビストロ。料理のほとんどが店内の薪窯で調理される。看板メニューは温かいグリルサラダ。地元産の野菜を薪で火入れし、生野菜や茹でた野菜と一緒に盛り付ける。美しい彩りと豊かな味わいがうれしい。
オーナーの古久保寿樹さんは、大ぶりで肉厚のしいたけが有名な龍神村の出身。食材は地元産にこだわり、日本酒は紀伊半島、ワインとチーズは世界のモノをそろえる。白浜の地ビール「ナギサビール」の樽生を飲めるのもいい。
地元産のいちじくと自家製ベーコンにカマンベールチーズを合わせたアヒージョは、丸みのある優しい味。国産牛イチボのグリルステーキは、うまみをたっぷり感じられる。
住所:白浜町3309-22
電話:0739-43-0702
https://www.shirahama99.com
■白浜の新しいブランド
白浜の住宅街に店舗兼工房を構える「Atelier CHOUETTE DOR(シュエットドール)」は、オーダーメードの手縫い革製品で注目を集めている。開業は2016年4月。オーナーの真鍋吉広さんは白浜の出身で、祖母が営んでいた文具店の跡地でスタートさせた。
「生産面を考えれば非効率かもしれませんが、一生涯使える良いモノは職人の手仕事から生まれます。ハンドルやファスナーが傷んでくれば、修理してまた使いたい。そんな上品でエレガントな美しい商品を提供するため、ブランドとしての基準を設けて、高品質の革だけを仕入れています」(真鍋さん)
レザークラフトの世界に魅せられてアパレル業界から転身。50年後、100年後に「白浜レザー」が白浜の名産品として認められるまで、丁寧な手仕事を続けてゆく覚悟だ。
事前に予約すれば、キーホルダーやキーケースの手縫い体験、マーブル染めの体験もできる。
住所:白浜町1057-15
電話:0739-20-7507
https://chouettedor.jp


















