著者のコラム一覧
大竹聡ライター

1963年、東京都生まれ。早稲田大学第二文学部卒業後、出版社、広告代理店、編集プロダクションなどを経てフリーに。2002年には仲間と共にミニコミ誌「酒とつまみ」を創刊した。主な著書に「酒呑まれ」「ずぶ六の四季」「レモンサワー」「五〇年酒場へ行こう」「最高の日本酒」「多摩川飲み下り」「酒場とコロナ」など。酒、酒場にまつわるエッセイ、レポート、小説などを執筆。月刊誌「あまから手帖」にて関西のバーについてのエッセイ「クロージング・タイム」を、マネーポストWEBにて「大竹聡の昼酒御免!」を連載中。

(18)ある日のブランチ

公開日: 更新日:

 ふと見れば、カウンターのお客さんも、昼酒中だ。あれはレモンサワーだろうか。タンブラーの酒をちびちび大事に飲みつつ、ときどき背後のテーブルで飲み始めた私を見る。

「あんたも昼酒? 勤務開けか?」

 その目が詮索している。まあ、仕事明けといえば明けである。明け方まではかどらない物書き仕事をして、寝たのが朝で起きたのは昼ちょうど。最初の食事がビールとチャーシューとメンマ。それだけのことである。

 レモンサワーに切り替えるタイミングで、煮玉子も追加する。白髪ねぎがたっぷり盛ってある。これがまた絶好のつまみになる。だから、ラーメンの注文を後回しにして、レモンサワーをもう1杯頼む。朝食がわりの昼酒としては、実にペースが速いのだが、店の主人は、私を、特に怪しむでもない。きっと、こんな客は珍しくはないのだろう。

 さて、食事にしようか。醤油味のニンニクラーメンを選ぶ。さて、どんなものが出てくるか、楽しみにしていると、かりっと揚げたニンニクのチップがぱらぱらと浮いているラーメン。丼が来たときからニンニクが香る。シャキシャキのねぎとチャーシューに、このスープが沁み込むのかと思うだけで、なんとも幸福な気分になる。スープを啜ると、想像どおりのキックがあって、汁だけでもう1杯飲みたいと、これはまあ、条件反射みたいなものだ。

 はふはふ言いながらラーメンを啜り、中身の具材を全部食べてなお、レモンサワーは半分ほど残っていた。

 レンゲでスープを啜り、レモンサワーをひと口。また、汁を啜ってサワーをひと口。文句なし。これが、ある日の私の、おいしいブランチだ。

【連載】大竹聡 大酒の一滴

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