名水を利用したそばの街にスパイスの香り 城下町・松本でカレー店が広がった由来は?
■面白さが大事。ポテサラやソムタムも一緒に
駅前のにぎわいを抜けて10分。女鳥羽川を越えたあたりから街の表情が一変する。建物は低くなり、白壁と黒なまこの土蔵が並ぶ。道は入り組み、角を曲がっても先が見えない。城を守るための「食いちがい」の構造だという。その通りを抜けた先、松本城の堀のほど近くに目指す一軒がある。「がねいしゃ」だ。
5種あるルーの中からチキンカレーとラムキーマを合わせた2種盛りプレート(1500円)を注文。1番人気はチキンだが、記者の舌をとらえたのはラムだった。口に含めばラム肉のうまみに続いてネパール山椒が追いかけ、さらに咀嚼するとプチッとはじけた瞬間、口いっぱいに中国の花椒の香りが花開く。3段構えの味わいの広がりに驚かずにはいられなかった。
プレートには副菜としてスパイス入りのポテサラやインドで親しまれるカチュンバルサラダ、タイ料理のソムタムをアレンジしたものなど初めて出合う料理がズラリ。これらは単体でもよし、カレーと合わせて「味変」を楽しむのもよし、だ。
「意外な組み合わせが結構おいしいんです。当店はインドカレーをベースにしたオリジナル。ライスひとつを取っても、ジャスミンライスとカルローズ米、そこに押し麦を加えることで、パラリとした中にわずかな弾力を持たせているんです。『どうすれば面白いか』を大事にしながら創作しています」(店主の元木拓郎さん)
次に訪れる時にはレシピがさらに進化しているに違いない。再訪を誓い店を後にした。

















