著者のコラム一覧
島田裕巳宗教学者、作家

1953年、東京都生まれ。東京大学文学部卒業。宗教学者、作家。現在、東京通信大学非常勤講師。「葬式は、要らない」「死に方の思想」「日本の新宗教」、「日本人にとって皇室とは何か」など著書多数。

天皇一家がGWに静養した「御料牧場」の実態と「皇室財閥」と呼ばれたわけ

公開日: 更新日:

 御料牧場の総面積は約252ヘクタールに及ぶというから、東京ドーム約54個分もの広さを誇っている。個別には見学はできないものの、春と秋には見学会も開かれ、誰もが応募できる。

 ただし、見学会はかなりの人気で、今年4月の応募では、応募数及び応募人数は2441通4868人であったのに対して、当選数及び当選者はわずか98通182人だった。当選者だと26倍を超える倍率である。

 実は、戦前の皇室は膨大な御料林を所有していた。その総面積は約360万ヘクタールにも達した。明治18(1885)年に当時の宮内省に御料局が設立され、官林(国有林)の中から良質な森林がそこに編入された。

 当時は、木材の売却益は相当なものになり、皇室はそれをもとに優良企業の株を取得した。その規模は大きく、その実態は「皇室財閥」とさえ呼ばれる。

 政府は、その後、日清・日露戦争を皮切りに対外戦争に乗り出していくが、戦費を調達する必要があり、戦時国債を発行した、皇室はその主要な引き受けての一つになった。また、皇室は軍備を強化するために献金をすることも少なくなかった。

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