(1)高騰から暴落へ…もはや持続可能な米作ではない
今年も私は新米の仕入れに向けて農家を回っている。炎天下の田んぼで話を聞くと、スーパーの売り場からは見えてこない過酷な現状がいくつもあった。
加速する高齢化と後継者不足、追い打ちをかけるように上昇する肥料や資材費、足を引っ張る異常気象。そして再び下がり始めた米価。
米屋にしてみれば、安く仕入れて安く売れるなら歓迎すべきことのように思える。だがここで我々は、問題がそんなに単純ではないことをよく考えなければならない。コメは工業製品のように機械で大量生産できるものではないことを。限りある敷地の中で農家が苗を植え、大地の恵みを頼りに水を張る。ようやく黄金色に実った稲穂から収穫できる米は年に一度きり。
「来年も作るからな、よろしく頼むで」
これまで当たり前のように耳に届いたその言葉を失う日が、静かにゆっくりと迫っているような不安に駆られる。
令和のコメ騒動は、本当に終わったのだろうか。

















