(1)高騰から暴落へ…もはや持続可能な米作ではない
「令和のコメ騒動」以降、米価は激しく揺れ動いた。店頭からコメが消え、仕入れ価格は日に日に上昇した。高値でも買わなければ商品を確保できず、それでも買えば「米屋が値段をつり上げている」と批判された。そんな異常な状況の中で政府は備蓄米を大量に放出。市場には一転してコメがあふれ、今度は価格が急速に下がり始めた。
長年コメを商ってきた私にも、これほど短期間に相場も消費者心理も大きく振れる出来事は記憶にない。
■消費者心理の振れ幅は異常
価格が上がれば「高すぎる」と叩かれ、下がれば「もっと安く」と求められる。その振り子が大きく揺れるほど、最も翻弄されるのは生産現場だ。
世間が一斉にコメを求めた昨年、各地の農家を訪ねた私は、生産者の意欲の高まりを肌で感じた。「必要とされるのであればもっと作りたい」そんな声を何度も聞いた。長く低迷してきた米価がようやく上向き、コメ作りに再び光が当たり始めたように思えた。
それから1年、状況はまた一変した。

















