【富山・三郎丸蒸留所】ウイスキー造りを五感で体験 樽工房を一般に公開している希少な蒸留所
樽のコンディションが重要
樽職人の祝迫智洋さんがこう言う。
「ウイスキーの味は熟成で決まりますが、樽はその原料です。長期間原酒を眠らせ、木の成分がウイスキーに入り込むためコンディションが重要です。タガが緩んだり、割れが発生すると漏れの原因になります。表面が碁盤の目のようになっていて水分を吸収すると膨らむガマの葉をパッキンとして使用し、隙間に挟み込みます。樽の状態によっては鏡板を地元産のミズナラに替えたり、サイズを大きくしたり、内側を焼き直すこともあります。あるものを長く使い、せっかく造った原酒が漏れないようにリペアします。新酒が好まれる日本酒や焼酎と違って、年々価値が上がっていくのがウイスキーの魅力です」
貯蔵に使う樽材はアメリカンホワイトオークが約8~9割を占め、スパニッシュオーク、ミズナラなどを使用。材質だけでなく、気温、湿度、場所と条件によって味も変わる。
「年間の寒暖差も大事ですが、高温過ぎると木の香りが付き過ぎて渋みが出てしまいます。貯蔵庫内は30度を超えないように地下水を汲み上げてスプリンクラーで屋根に散水したりファンクーラーを回して室温をコントロールしています。隣同士に置いて熟成させた樽でも温度や湿度の違いによって微妙に違う味が生まれるのが、ウイスキーの面白いところです」(経営戦略部の上田夏世さん)
蒸留所内は三郎丸蒸留所がこだわるピート(泥炭)のスモーキーな香りが漂い、環境保護、資源循環への取り組みや地域に根ざしたウイスキー造りの歴史を知ることができる。1階奥にある「鏡の隠し扉」を開けると「ハンドフィルルーム」があり、テイスティングと樽からの汲み出し体験を楽しめる。
【三郎丸蒸留所】
富山県砺波市三郎丸208
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