【富山・三郎丸蒸留所】ウイスキー造りを五感で体験 樽工房を一般に公開している希少な蒸留所
標高3000メートル級の雄大な立山連峰から、ミネラル分豊富な水が水深1000メートル超の富山湾に流れ込む。JR新高岡駅で城端線に乗り換え、2両編成の車両に揺られること15分。電車は田園風景を駆け抜け、油田駅に到着する。若鶴酒造「三郎丸蒸留所」は庄川が流れる砺波平野にある。
ウイスキー造りの歴史は古い。戦後のコメ不足の時代、1952年に2代目・稲垣小太郎が「サンシャインウイスキー」の生産を開始したものの、その後は細々と造り続けていた。
家業を継ぐため、故郷に戻った5代目・稲垣貴彦社長は、曽祖父が60年に蒸留したウイスキーを飲み、蒸留所再建を決意する。クラウドファンディングで3800万円超を集め、築90年経った蒸留所を改修し、2017年に「三郎丸蒸留所」を生まれ変わらせた。
■世界初の鋳造製ポットスチル
19年には、梵鐘に使われる高岡銅器の鋳造技術を生かし、世界初の鋳造製のポットスチルを地元の「老子製作所」と共同開発。製作所の屋号「次右衛門(じえもん)」から「ZEMON」と名付け、日本と英国で特許を取得した。
25年、見学コースに「バレルアイル(樽通路)」を整備し、樽の再生工房を設立。国内で樽工房を一般に公開している蒸留所は数少なく、昨年は約4万5000人が見学に訪れた。
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