千葉印西市の駅前データセンター建設問題 住民が憤る「やられっぱなし」の実態
AIの需要拡大などを背景に、膨大な情報を処理・保管する必要性は増すばかり。大量のサーバーや通信機械を収容する専用施設「データセンター(DC)」の建設ラッシュが、日本国内で始まっている。しかし、巨大かつ大量の電気を用いるDCは、日照権の侵害や騒音、排熱など環境悪化の懸念があり、各地で住民による反対運動が勃発。首都圏の千葉県でも、さまざまなトラブルが発生している。突如としてその当事者となった住民からは、怒りとやるせなさが入り交じる、悲痛な声が聞こえてきた。
■緩い立地規制で建設ラッシュ
先月某日、記者は千葉県印西市にある、新たなDC建設予定地を訪れた。北総線千葉ニュータウン中央駅からわずか400メートルほどの距離にあり、住宅街のど真ん中だ。イオンモールなどの商業施設やマンションに四方を囲まれ、現在は建設作業が進行中。白い仮囲いの向こう側には、クレーン車などの背の高い重機が見える。
印西市は強固な地盤や安定した電力供給設備があることから、DCの一大集積地となっている。人呼んで「DC銀座」だ。とはいえ、基本的にDCが集まるのは、駅から北に1キロほど進んだ、野山や雑木林が広がる地域。駅前の一等地にDCが建てられるのは、やはり違和感がぬぐえない。
「我々住民も、昨年4月に建設計画の看板が立てられていたことで、初めて知りました。新しい商業施設ができるとばかり思っていたので、衝撃でした」(近隣のマンション住民)
実は隣駅の印西牧の原駅でも、先月末に新たなDCの建設計画が明らかになったばかりだ。駅からすぐそばにあるショッピングモールが、予定地となっている。2007年の開業で、近年は施設の老朽化や経営悪化が課題となっていた。現在の広大な敷地にDC2棟を建設し、その収益で商業施設を再整備・維持するというものだ。
しかし、こちらも駅前かつ住宅街のど真ん中に位置している。付近の住民からはやはり、景観や環境の変化を懸念する声が上がっている。
そもそもDCの建築については現行の建築基準法が想定しておらず、多くは「事務所」などとして扱われる。そのため立地規制が緩く、駅前や住宅地の建設計画が持ち上がっては、各地で住民とトラブルになっているのが実情だ。印西市では、市議会が昨年、「駅周辺を除く場所にデータセンターを整備すべきだ」とする決議を可決。市が規制強化に向けて動き出す中で、建設計画が進められている。
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