7.29市場激震? 黒田日銀はヘリコプターマネー決断するか
空から現金が降ってくる。道行く人たちはヒラヒラと舞う紙幣を掴もうと、両手を必死で伸ばす――映画でよく見る光景だ。
今月下旬、日本銀行が「ヘリコプターマネー」(ヘリマネ)を実施するかどうか市場が注目している。
「もちろん、本当に紙幣が空から降ってくるわけではありません。ただ、それと似たような効果をもたらす“ヘリマネ政策”が実施される可能性があるのです。早ければ7月28、29日に開かれる日銀の金融政策決定会合で決まると市場は期待しています」(証券アナリスト)
ヘリマネは、1960年代に米経済学者のフリードマン氏が提唱した。中央銀行(日銀)が紙幣を大量にバラまく政策だ。具体的には政府の発行する国債を中央銀行が直接引き受ける。発行される国債は、無利子で償還期限のない「永久国債」と呼ばれるものだ。
「極端なことを言うと、永久国債は返済しなくてもいい。ただし、国際的な信用はガタ落ちし、通貨安が加速します。実は現在の円安傾向は、金融市場がヘリマネを先読みしているためです」(株式評論家の倉多慎之助氏)