亀屋万年堂を買収「シャトレーゼ」の積極的M&Aと世界戦略
「ナボナはお菓子のホームラン王です」
プロ野球界のスーパースターで読売巨人軍の王貞治氏(現ソフトバンク球団会長)が出演するTVCMのこんなフレーズが全国を席巻したのは、もう半世紀以上前の1967年のこと。
その「ナボナ」を製造販売する東京の老舗菓子店、亀屋万年堂(目黒区)が、山梨県甲府市に本社を置く洋・和菓子メーカー、シャトレーゼホールディングス(HD)に買収された。今年1月15日付でシャトレーゼが亀屋万年堂とその生産子会社の発行済み全株を取得して完全子会社化。知名度の高い和菓子ブランドを取り込んで菓子事業の総合力強化につなげる。
亀屋万年堂は1938年創業で、都内と神奈川県に直営29店舗を展開する。年商は2019年9月期で約32・4億円。ただ、最近はヒット商品に恵まれず、業績は「伸び悩んでいた」(業界筋)とされる。
一方、シャトレーゼは国内にフランチャイズ(FC)含めて556店舗。シンガポールやマレーシア、ベトナムなど海外にも90店舗を出店するほか、リゾートホテルやワイナリー、スキー場などの運営も手掛ける。