「安藤ハザマ」は最終利益の100%以上を株主還元 物言う株主の標的に
ゼネコン各社がアクティビスト(物言う株主)によって次々と“血祭り”に上げられている。香港を本拠とする投資ファンド、オアシス・マネジメントに食いつかれていた準大手の安藤ハザマは先週、2022年3月期と23年3月期で稼ぎ出す最終利益の100%以上を株主還元に振り向けると発表。総還元額は350億円以上にのぼる見込みだ。
業界では同じく準大手の西松建設が村上世彰氏系のファンドに株式を買い進められた揚げ句、約544億円にものぼる自己株TOB(株式公開買い付け)を強いられたばかり。保有株売却で村上氏らは「100億円の差益を手に入れた」(金融筋)とも言われている。ほかにもアクティビストに取りつかれているゼネコンは少なくなく、関係者の間では「犠牲者はまだまだ出る」との観測が飛ぶ。
安藤ハザマは22年3月期で158億円の最終利益計上を見込んでいる。23年3月期も同水準以上の最終益を確保する見通しだ。このうち今年4~10月にすでに費やした51億円と合わせ250億円以上を自己株取得に充てる。第1弾として今月15日から来年5月13日までの間、100億円を上限に1700万株を取得する計画だ。