サーモス 片岡有二社長(1)マイボトルブームを牽引する魔法瓶メーカー

公開日: 更新日:

 85年、片岡は日本酸素に入社すると、魔法瓶部門に配属される。

 当時のブランド名は、日本酸素の社名からとった「ニッサン」。

「ニッサンの魔法瓶と言うと『車の会社?』、日本酸素を名乗ると『山荘?』と聞かれるくらいに知名度がなかったです」

 同社は数千億円もの売り上げを誇る産業ガス大手ではあるものの、法人向けに事業を展開してきたことから、一般消費者には無名だった。

 89年、世界的ブランド「サーモス」の買収、2001年にはサーモス事業を分社化という道をたどる中で、担当者たちは、どうすればサーモスの特色を出すことができるのかという課題に取り組む。

 その中で出てきたのが「じか飲み」というアイデアだ。

 従来の魔法瓶はコップで飲むのが一般的だった。魔法瓶業界では「熱い飲み物をじかに飲んだりすればやけどの危険がある」として、じか飲みはタブー視されていた。

 一方、サーモスでは、子供のほとんどは魔法瓶に冷たい飲み物しか入れないというデータを入手していた。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    日本中学生新聞が見た参院選 「参政党は『ネオナチ政党』。取材拒否されたけど注視していきます」

  2. 2

    松下洸平結婚で「母の異変」の報告続出!「大号泣」に「家事をする気力消失」まで

  3. 3

    松下洸平“電撃婚”にファンから「きっとお相手はプロ彼女」の怨嗟…西島秀俊の結婚時にも多用されたワード

  4. 4

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず

  5. 5

    俺が監督になったら茶髪とヒゲを「禁止」したい根拠…立浪和義のやり方には思うところもある

  1. 6

    (1)広報と報道の違いがわからない人たち…民主主義の大原則を脅かす「記者排除」3年前にも

  2. 7

    自民両院議員懇談会で「石破おろし」が不発だったこれだけの理由…目立った空席、“主導側”は発言せず欠席者も

  3. 8

    参政党のSNS炎上で注目「ジャンボタニシ」の被害拡大中…温暖化で生息域拡大、防除ノウハウない生産者に大打撃

  4. 9

    自民党「石破おろし」の裏で暗躍する重鎮たち…両院議員懇談会は大荒れ必至、党内には冷ややかな声も

  5. 10

    “死球の恐怖”藤浪晋太郎のDeNA入りにセ5球団が戦々恐々…「打者にストレス。パに行ってほしかった」