トラストバンク 川村憲一社長(1)衝撃的だった中国の学生の勤勉さ「いつか日本は抜かれる」

公開日: 更新日:

 町内の回覧板で告知した。

「料金は500円にしました。当時、パンク修理は一般的に800円でした。割安だったこともあり、近くに修理してくれる店もなかったから、利用者には感謝されました。なかには中学生が頑張っているからと、1000円払ってくれる人もいました。500円という修理代は、原価からの計算ではなく、相手の期待値から考えて設定しました」

 高校に入ると、ハンバーガーチェーン、家庭教師、引っ越し屋、さらにとび職と、多種多様なアルバイトを経験したという。

 大学は札幌市内にあるミッション系の北星学園に学校推薦で入学した。文学部の心理学コースを選んだのは、人の経済活動と心理の関係に関心があったからだという。この頃から、いずれは経営者になりたいと友人たちに語っていたそうだ。

中国に留学

 大学3年生(20歳)の時、大学を休学し、単身中国に渡った。1993年のことだ。

「メディアが『これからは中国だ』とはやしていたので、自分も中国の生活を体験してみたいと思った。語学の短期留学という名目で行ったのですが、行った後そのまま就職先を探すつもりでした。現地で中国人を目の当たりにし、勤勉さには驚かされました。彼らは授業以外に、1日に8時間から10時間は勉強していた。いつか自分たちは中国の人たちに抜かれるんじゃないかと思いました」

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    新生阿部巨人は早くも道険し…「疑問残る」コーチ人事にOBが痛烈批判

  2. 2

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  3. 3

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  4. 4

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  5. 5

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  1. 6

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  2. 7

    維新・藤田共同代表にも「政治とカネ」問題が直撃! 公設秘書への公金2000万円還流疑惑

  3. 8

    35年前の大阪花博の巨大な塔&中国庭園は廃墟同然…「鶴見緑地」を歩いて考えたレガシーのあり方

  4. 9

    米国が「サナエノミクス」にNO! 日銀に「利上げするな」と圧力かける高市政権に強力牽制

  5. 10

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性