著者のコラム一覧
小林佳樹金融ジャーナリスト

銀行・証券・保険業界などの金融界を40年近く取材するベテラン記者。政界・官界・民間企業のトライアングルを取材の基盤にしている。神出鬼没が身上で、親密な政治家からは「服部半蔵」と呼ばれている。本人はアカデミックな「マクロ経済」を論じたいのだが、周囲から期待されているのはディープな「裏話」であることに悩んで40年が経過してしまった。アナリスト崩れである。

第一生命HDのベネフィット・ワンTOB カギを握る「医療界のGAFA」エムスリー社長の存在感

公開日: 更新日:

 第一生命ホールディングス(HD)は12月7日、企業向けの福利厚生サービスを手掛けるベネフィット・ワンに対して、賛同を得られることなどを条件に来年1月中旬をめどに株式公開買い付け(TOB)を実施すると発表した。最終的には全株式の取得を目指す。

 11月14日に、医療関係者向けの専門サイトなどを運営するエムスリーがベネフィットに対してTOBを発表しており、これに対抗する形となる。

 生命保険各社は、国内の人口減少を背景に従来の保険ビジネスだけではじり貧に陥るとの危機感がある。

「第一生命HDも新たに獲得した保険契約が将来生み出す利益を示す指標が2023年3月期に初めてマイナスとなり、採算割れ状態に突入した。活路を見いだすために介護・福祉の領域にM&Aを仕掛けたといえます」(メガバンク幹部)とされる。

 TOBの行方は予断を許さない。第一生命HDが現状提示したTOB価格はベネフィット1株当たり1800円、これに対してエムスリーは同1600円と低いが、エムスリーは、ベネフィットの親会社で51%を出資するパソナグループからTOBの賛同を得ており、応募契約を結んでいる。   

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