著者のコラム一覧
長谷川高不動産アナリスト

長谷川不動産経済社代表。著書「家を買いたくなったら~令和版」「家を借りたくなったら」(WAVE出版)は初版から累計10万部を突破。新刊「不動産2.0」(イースト・プレス)で人口減少、供給過剰で大転換期を迎えるマーケットを制するための不動産の必須知識を伝えている。

どうなる? 中国不況で日本に流れたチャイナマネーの行方と東京の不動産価格

公開日: 更新日:

 香港では、イギリスから中国へ返還される前から、香港脱出を夢見る若者は少なくありませんでした。返還前にウォン・カーウァイ監督が撮った名作「恋する惑星」や「欲望の翼」には、香港を脱出し、米国へ移住しようとする人物が度々登場します。当時から、香港の将来に希望がもてない者が大勢いたのでしょう。

 さて、現代の香港はどうなったでしょうか。2047年までは「1国2制度」を維持し、社会主義政策を実施しないことになっていましたが、自由は失われようとしています。やはり、ある程度、資産を持つ人たちは、香港脱出を試みています。自らが脱出できない場合は、まず子供を海外の大学へ留学させて、卒業後も、その国で働かせてグリーンカードを取得させようとしています。

 いまでは、中国本土でも同じことを考える国民が大勢います。米国とメキシコの国境を越えてやって来る中国人不法移民が急増しています。中国国内で経済的に困窮した者が「自由」と「生活の安定」を求めて国境を越えて来ているのでしょう。

 と同時に、この10年、裕福な中国人は急ピッチで資産を海外へ逃がしています。東京都心部のマンションなどにもチャイナマネーが大量に流入しています。ある司法書士によると、都心部のある大型分譲マンションの約20%が中国系の名称の名義だったそうです。20%という割合は決して少なくありません。これまでチャイナマネーが日本の不動産価格上昇に寄与してきたのは、間違いないでしょう。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    気温50度の灼熱キャンプなのに「寒い」…中村武志さんは「死ぬかもしれん」と言った 

  3. 3

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  4. 4

    巨人阿部監督はたった1年で崖っぷち…阪神と藤川監督にクビを飛ばされる3人の監督

  5. 5

    (4)指揮官が密かに温める虎戦士「クビ切りリスト」…井上広大ら中堅どころ3人、ベテラン2人が対象か

  1. 6

    U18日本代表がパナマ撃破で決勝進出!やっぱり横浜高はスゴかった

  2. 7

    日本ハム・レイエスはどれだけ打っても「メジャー復帰絶望」のワケ

  3. 8

    志村けんさん急逝から5年で豪邸やロールス・ロイスを次々処分も…フジテレビ問題でも際立つ偉大さ

  4. 9

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  5. 10

    (2)事実上の「全権監督」として年上コーチを捻じ伏せた…セVでも今オフコーチ陣の首筋は寒い