著者のコラム一覧
有森隆経済ジャーナリスト

早稲田大学文学部卒。30年間全国紙で経済記者を務めた。経済・産業界での豊富な人脈を生かし、経済事件などをテーマに精力的な取材・執筆活動を続けている。著書は「企業舎弟闇の抗争」(講談社+α文庫)、「ネットバブル」「日本企業モラルハザード史」(以上、文春新書)、「住友銀行暗黒史」「日産独裁経営と権力抗争の末路」(以上、さくら舎)、「プロ経営者の時代」(千倉書房)など多数。

小林製薬(下)企業体質を変えなければ存続不可

公開日: 更新日:

 一雅の口癖は「小さな池の大きな魚」。誰も参入していない未開拓領域で大きなシェアを狙う戦略を意味する。開発に時間と費用がかかる医薬品より、手軽で1品あたりの開発リスクが低い日用品にシフトした。冷却ジェルシート「熱さまシート」や消臭剤「消臭元」、洗眼薬「アイボン」などヒット商品を連発した。

 彼は「あったらいいな」をカタチ(商品)にすることに心を砕いた。ニッチな市場の開拓者、パイオニアになった。

 一雅は小林製薬の“天皇”と呼ばれている。神聖にして不可侵な存在だ。76年に4代目社長になってから48年間にわたり代表権を保持し、トップの座に君臨している。

 6代目社長の小林章浩(53)は一雅の長男。慶応義塾大学経済学部卒。2013年に社長に就任。機能性表示食品のサプリメントに経営の舵を切る転換点となった年だ。

 機能性表示食品は事業者が機能性(健康の維持や増進に役立つ効果)と安全性に関する科学的根拠などを消費者庁に届け出れば国の審査なしで表示ができた。

 小林製薬は2016年、グンゼから食品素材、紅麹の研究・販売事業を譲り受け、21年4月、悪玉コレステロールを下げると謳った紅麹コレステヘルプを機能性表示食品として消費者庁に届け出た。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人・田中将大と“魔改造コーチ”の間に微妙な空気…甘言ささやく桑田二軍監督へ乗り換えていた

  2. 2

    福山雅治「フジ不適切会合」参加で掘り起こされた吉高由里子への“完全アウト”なセクハラ発言

  3. 3

    広陵問題をSNSの弊害にすり替えやっぱり大炎上…高野連&朝日新聞の「おま言う」案件

  4. 4

    福山雅治、石橋貴明…フジ飲み会問題で匿名有力者が暴かれる中、注目される「スイートルームの会」“タレントU氏”は誰だ?

  5. 5

    夏の甲子園V候補はなぜ早々と散ったのか...1年通じた過密日程 識者は「春季大会廃止」に言及

  1. 6

    【広陵OB】今秋ドラフト候補が女子中学生への性犯罪容疑で逮捕…プロ、アマ球界への小さくない波紋

  2. 7

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  3. 8

    福山雅治“ローション風呂”のパワーワード炸裂で主演映画とCMへの影響も…日本生命、ソフトBはどう動く?

  4. 9

    参政党・神谷宗幣代表 にじむ旧統一教会への共鳴…「文化的マルクス主義」に強いこだわり

  5. 10

    国民民主党・玉木代表が維新にイチャモン連発! 執拗な“口撃”は焦りの裏返しなのか?