本業絶不調でもEVレースは絶好調! なぜ日産はフォーミュラEで頑張り続けるのか?
フォーミュラEもマシンの速さや進化度で楽しめる段階に
とはいえ、レースは大人しめの走行サウンド以外は結構面白い。出走チームは日本のニッサンを始め、ポルシェ、ジャガー、マセラティ、マクラーレンと世界の一流メーカーばかりだし、マシンはF1ほど速いとは言わないけれど、出力が350kW(約476ps)まで引き上げられた前後ツインモーターの電動専用1人乗りフォーミュラマシン。最高速はサーキットによっては時速320kmも超える。しかもかつてのようにバッテリー切れによるマシン交換もない。
同時に年を追うごとにマシンの自由度は増し、ボディ骨格やモーターやタイヤは全チーム共通の規格モノだが、直近のGEN3EVO(ジェネレーション3エボリューション)マシンは減速にしか使えなかったフロントモーターを駆動にも使うことができ、同時にリア周りの設計自由度が非常に高い。
今まで年間優勝のなかったニッサンフォーミュラEチームも、この『東京E-Prix』前はエースドライバーのオリバー・ローランドがドライバーポイント115で2位のポイント67にブッチギリの差を付けてトップ。それはドライバーの技量に加え、マシンのポンテンシャル差もあるらしく、ようやくフォーミュラEもマシンの速さや進化度で楽しめる段階に入ってきたようだ。