牛丼の吉野家が“ラーメン世界一”を目指すしかない切実事情…「第3の柱」に掲げるも“窮余の一策”
吉野家HDは16年に都内の人気ラーメン店「せたが屋」を買収。その後も中国地方が中心の「ばり嗎」に、関西圏の「キラメキノトリ」と小規模ラーメンチェーンを傘下に収め、10年近くノウハウを蓄積してきた。
「海外展開を見据えた動きで、今やラーメンは世界で寿司に次ぐ人気の日本食です。昨年5月には麺やスープなどを製造する京都の『宝産業』を買収。きめ細かな味づくりが評判の会社で、東南アジアや米ロサンゼルス、仏パリ郊外にまで工場を持つ。まずは店舗数20~50程度の国内チェーンを次々と買収して基盤を固め、米国市場に打って出るのではないか。ロスやNYはラーメン1杯2000円以上が当たり前。牛丼の比ではないですからね。全米最大のチェーン店『ジンヤ』の店舗数は100を超す勢いで、その数を上回れるかどうかが勝算を握りそうです」(中村芳平氏)
次期社長に就任予定の成瀬哲也取締役は「34年度はラーメンの提供食数で世界一を目指す」と鼻息が荒いが、はたして?