「とんかつ専門店」が大ブーム!原材料高でも大手チェーン続々参入、海外でも勝てる“独自性”に熱視線
とんかつチェーンの先駆けとされる1958年開店の「とんかつ和幸」や、66年の「とんかつ新宿さぼてん」といった中・高価格帯の店が主流だった中で、オペレーションの簡素化などで低価格を実現し、国内で491店(2024年12月末現在)まで拡大してきたのが、アークランドサービスホールディングスの「かつや」。
だが現在、かつやを上回る勢いで拡大しているのが、松屋フーズホールディングスの「松のや」だ。
かつやが869円(税込み)で提供しているロースかつ定食を、松のやは690円(税込み)で提供。現在500店を超え、店舗数でかつやを抜いて首位に。
■価格は二極化
競争が激化する中、コロナ禍で急増し、ブームが退潮していった唐揚げ業態のような一過性で終わらないのか。
「とんかつは家で揚げることが少なく、外食・中食向きの総菜です。これまで個人経営がほとんどで大手が少ない点がラーメン業態に近く、価格も低価格と高価格とに二極化していますが、それぞれ利用層や目的が異なるため、すみ分けができています。参入増加や原材料高で脱落するところも出てくるものと思われます。ただ、揚げたてのとんかつに、ごはん、キャベツ、味噌汁、おしんこがついた定食は日本独自のもので、訪日客がそのおいしさに気づき始めている中、どのチェーンも海外に広げていくことが目的になっているように思います」(渡辺広明氏)
とんかつは今や海外で勝負できる強力なコンテンツになっているという。