蒲田の2駅結ぶ蒲蒲線、大田区と地元を取材して分かった実現のハードルと地元の思い
駅ビル2階のデッキから東西南北を回遊
そんな効果が予測される一方、地元では蒲蒲線の実用化で「蒲田をパスして東横線方面に流れる人が増えるのではないか」と懸念する人も少なくない。大田区鉄道・都市づくり部拠点整備第2担当課長の蔵方博史氏が言う。
「蒲田は、戦災復興の区画整理事業が行われてから、機能更新がほとんど行われていません。そのためJR蒲田駅周辺地区は全体的に老朽化が進んでいます。そのため、新空港線の整備をチャンスとしてとらえ、駅周辺の整備も一体的に進めていく方針です」
JR蒲田駅東口では現在、駅前の整備工事が進む。将来的には、駅ビル2階部分にデッキ広場が設けられる。西口も同様に整備され、デッキの両端を結ぶことで、東西が結ばれる。駅の利用の有無にかかわらず、24時間利用可能だ。
東西の連絡通路が混雑し、中央改札付近から東急方面にかけてクランク状になるため混雑し、動線も混線しやすい上、終電後は通路そのものが途絶える。こうした現状のデメリットを克服するのが、デッキ設置による安全な回遊性の確保と災害時などの東西の移動の確保だ。
さらに西口では、デッキから地下の蒲蒲線のホームをつなぐタテの動線としてエスカレーターやエレベーターなども整備される計画だという。
では、地元の人は蒲蒲線や駅周辺の整備工事をどうみているのか。蒲田西口商店街振興組合の森田充浩理事長に話を聞いた。
「蒲田にとって蒲蒲線の開通はひとつの起爆剤ですから、これによって蒲田の新しい姿をつくっていこうということに対しては当然期待しています。人の流れも変わるでしょうから。ただ、地元の人が蒲蒲線ができることで便利になるかというと、決してそんなことはないでしょう。利便性が向上するのは、田園調布をはじめ東急沿線に住む方々ではないでしょうか。再開発による利便性の向上はともかく、もっと大事なのは蒲田らしさです。蒲田はいい意味ですごく親しみやすい、庶民的な街で、この商店街もほかの街に比べて安くて、フレンドリーな店ばかり。ですから、再開発で駅前が新しくなっても『蒲田らしさ』はいつまでも失わないでほしいですね」
蒲蒲線が一部開業する40年前後、安くて親しみやすい蒲田はどうなっているのか。蒲田らしさを残しつつ、新たな魅力が見つかると、蒲田の人気も蒲蒲線とともに爆発するかもしれない。


















