備蓄米狂騒で進次郎農相ハイテンションだが…早くも剥がれた「弱者イジメ」の化けの皮

公開日: 更新日:

小規模スーパーや町のコメ店など後回しは「不平等」

 党勢回復と自らの野望のために、ギラギラみなぎる進次郎氏だが、早速、問題が噴出している。

 随意契約先について、年間1万トン以上を扱う業者に限ったことで「安いコメ」が配分されるのは大手小売りに限られる。一応、小規模スーパーや町のコメ店への直接販売も検討中だが、具体的な方法は不明だ。

 結果、大手と中小零細とに明確な「格差」が生じている。

 手を挙げている大手33社の中でも「6月2日販売」などと早く売って話題を集められるのは、自社グループに精米メーカーを持つアイリスオーヤマや、コメも扱う商社の伊藤忠傘下のファミリーマートなど数えるほど。精米施設を持たない企業は外部のコメ卸に精米を委託せざるを得ず、その分、店頭陳列が遅れる。これも「不公平」だ。

「格差」と「不公平」を押し付ける進次郎のやり方は、父・純一郎元首相そっくり。新自由主義路線そのものだ。

 東大大学院教授の鈴木宣弘氏(農業経済学)が言う。

「米価を下げたい意欲は理解できますが、特定の業者を優遇するなど、あってはなりません。特に、最も困っているのは小規模スーパーや町のコメ店など、弱い立場にいる人です。彼らを後回しにするやり方はいかにも不平等。また、そうした中小の小売店を頼りにしている消費者にも恩恵が行き渡らない。大型店の多い都市部にだけ安いコメが行き渡り、小規模店しかない地方との間にも不平等が生じてしまいます」

 さらに言えば、備蓄米購入を申し込んだ楽天グループはネット販売が専門。ITに不慣れな高齢者には不利だ。

 強きを助け、弱きをくじく――、進次郎の化けの皮は早くも剥がれ、父親譲りの「弱肉強食」の本性むき出し。「次の首相」を任せるのは危険だ。

  ◇  ◇  ◇

 新たに放出の備蓄米「古古米」「古古古米」はおいしいのか? 創業90年の老舗米穀店に聞くと…関連記事【もっと読む】で詳しく報じている。

最新の政治・社会記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 政治のアクセスランキング

  1. 1

    高市派「石破おろし」巻き返しに漂うヤブヘビ感…杉田水脈氏らが保守系月刊誌で開陳しためちゃくちゃ論調

  2. 2

    異常すぎる兵庫県政…中学生記者が初めて出席した定例会見での斎藤元彦知事には、表情がなかった

  3. 3

    党勢拡大の参政党「スタッフ募集」に高い壁…供給源のはずの自民落選議員秘書も「やりたくない」と避けるワケ

  4. 4

    国民民主党から問題議員が続出する根源…かつての維新をしのぐ“不祥事のデパート”に

  5. 5

    総裁選前倒し訴え旧安倍派“実名OK”は3人のみ…5人衆も「石破おろし」腰砕けの情けなさ

  1. 6

    高市早苗氏の“戦意”を打ち砕く…多くの国民からの「石破辞めるな」と自民党内にそびえる「3つの壁」

  2. 7

    参政党・神谷宗幣代表 にじむ旧統一教会への共鳴…「文化的マルクス主義」に強いこだわり

  3. 8

    石破おろしは9.10が終焉の節目に 「記名・公表」で自民総裁選前倒しのハードル上がる

  4. 9

    石丸伸二氏「再生の道」に迫る消滅の足音…“敗軍の将”代表辞任の先にあるもの

  5. 10

    自民保守派が“石破おろし”で分裂状態…次期党総裁「コバホークだ」「いや高市だ」で足並み揃わず

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    【速報】髙橋光成がメジャー挑戦へ!ついに西武がゴーサイン、29日オリ戦に米スカウトずらり

  3. 3

    桑田佳祐も呆れた行状を知っていた? 思い出されるトラブルメーカーぶりと“長渕ソング騒動”

  4. 4

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  5. 5

    大接戦パV争いで日本ハムがソフトBに勝つ根拠…カギを握るのはCS進出に必死の楽天とオリ

  1. 6

    佐々木朗希に浮上「9月にもシャットダウン」…ワールドS連覇へ一丸のドジャースで蚊帳の外

  2. 7

    長渕剛に醜聞ハラスメント疑惑ラッシュのウラ…化けの皮が剥がれた“ハダカの王様”の断末魔

  3. 8

    「俺は帰る!」長嶋一茂“王様気取り”にテレビ業界から呆れ声…“親の七光だけで中身ナシ”の末路

  4. 9

    ロッテ佐々木朗希の「豹変」…記者会見で“釈明”も5年前からくすぶっていた強硬メジャー挑戦の不穏

  5. 10

    総裁選前倒し訴え旧安倍派“実名OK”は3人のみ…5人衆も「石破おろし」腰砕けの情けなさ