移民局の監視の矛先がついに市民へ…抗議や批判が「危険な行為」になるのか
司法の現場でも異変は起きている。過去数カ月間に拘束された4000人以上の移民が、連邦裁判所が「拘束は違法」の判断を下したにもかかわらず、解放されない状態が続いている。
こうした動きを、アムネスティ・インターナショナルは「権威主義的な慣行による、表現や集会の自由、プライバシーといった人権の侵食」と警告する。民主主義を数値化するデモクラシー・メーターも、米国を57点と評価した。わずか1年で28%低下という急激な衰退で、通常はクーデターなど大きなショックの後にしか見られない規模だとしている。
英ガーディアン紙は、専門家の分析として、アメリカが選挙の形式を残したまま反対派を抑圧する「競合的権威主義」へ後退したと伝えている。「競合的権威主義」はファシズムや独裁へと移行する前段階と位置付けられる。
この変化が気づかれにくいのは、選挙も残り、日常生活が一見変わらないからだ。だがその裏で、政府の権力は静かに広がり、司法の抑制は弱まり、抗議や批判は次第に「危険な行為」と見なされていく。民主主義は、崩れ落ちる音を立てない。



















