【特別寄稿】川上哲治元監督を悼む(中村稔・元巨人投手コーチ)

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「なんで俺ばっかりいつまでもノックをやらされるんだよ」
 昭和32年の春のキャンプ。私は宇治山田商から巨人に入団した新人だった。全体練習が終わってもひとり残され、武宮(敏明)二軍コーチからコッテリ絞られた。

 実は私は巨人の伝説のエース沢村(栄治)さんの親戚。後に知ったことだが、それを知った川上さんが何とか私を一人前にしてやろうと武宮コーチに頼んだのだった。

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 昭和39年の春先、車を運転していた私は交通事故を起こした。そのためそのシーズンは1勝もできずに終わるのだが、事故の報を聞いて川上さん(当時監督)が自宅まで訪ねてきた。わざわざお見舞いにまで来ていただいて申し訳ないと思ったが違った。畳一枚ほどの紙を広げると壁に貼り付けた。

「稔! 毎日コレを読め!」

 今では内容は忘れてしまったが、人の生き方、社会人としてのあるべき姿が箇条書きで12項目、黒々とした墨で書かれてあった。野球で成功するには、まずひとりの人間としてきちんとしろということだった。

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