<第17回>語り継がれる水沢リトル「大谷伝説」の真贋…《2つ年上くらいとは割と対等にやれていた》

公開日: 更新日:

 低学年のバンディッツが使うグラウンドは形状が逆になっている。なのでグラウンドを入れ替えれば、大谷が右翼に大きな当たりを打っても、もうひとつのグラウンドに飛んでいくだけ。ボールが川に飛び込む心配はないということだ。

 大谷が左方向へ打つことを覚えたのはもちろん、罰金を払うのが嫌だったからではない。インコースは右方向、アウトコースは左方向へ打ち分けること、体を開かずに打つことを徹に教えられたからだ。当時から飛距離が出ていたのは、体を残したまま打つことを会得していたからだろう。

「最初からできたわけではありませんけど、教えたことをのみ込んで行動に移すのは早かったですね。すぐに習得する。教えたことを自分なりに理解して、すぐにその通りにできる能力は、他の子供と比べて抜けていた気がします。頭の中で理解しても、体はなかなかその通り使えない。口で言うのは簡単ですが、結構難しいですから」と徹は言う。

 例えばサラリーマンゴルファーはよく、上級者から、打つときに肩、ひざを開くな、壁をつくれ、などとアドバイスされる。なぜ、体が開いてはいけないのか、そのためにどうすればよいのか、頭で理解しても、体はなかなかその通りに動かない。本人はやっているつもりでも、実際はやれていないケースが圧倒的に多い。頭の中の感覚と、体の動きが一致しないからだ。大谷は運動能力に長けているのはもちろん、そのあたりの感覚が鋭いに違いない。

「翔平は小学3年生のときから5年生とやっていました。2つ年上くらいとは割と対等にやれていた気がします」と徹は話す。(つづく=敬称略)

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    「二股不倫」永野芽郁の“第3の男”か? 坂口健太郎の業界評…さらに「別の男」が出てくる可能性は

  3. 3

    気温50度の灼熱キャンプなのに「寒い」…中村武志さんは「死ぬかもしれん」と言った 

  4. 4

    U18日本代表がパナマ撃破で決勝進出!やっぱり横浜高はスゴかった

  5. 5

    坂口健太郎に永野芽郁との「過去の交際」発覚…“好感度俳優”イメージダウン避けられず

  1. 6

    大手家電量販店の創業家がトップに君臨する功罪…ビック、ノジマに続きヨドバシも下請法違反

  2. 7

    板野友美からますます遠ざかる“野球選手の良妻”イメージ…豪華自宅とセレブ妻ぶり猛烈アピール

  3. 8

    日本ハム・レイエスはどれだけ打っても「メジャー復帰絶望」のワケ

  4. 9

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  5. 10

    自民党総裁選の“本命”小泉進次郎氏に「不出馬説」が流れた背景