<第22回>「野球部の試合には出ない方がいいです」

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 大谷は一関シニアで名の売れた選手だった。

 通った水沢南中学校でも野球部に所属。腕に覚えのある中学生なら、学校でも少しくらいはいいところを見せたいと思うのが自然だ。親御さんも最近は、子供以上に「ウチの子を試合で使ってもらえないか」と監督に売り込むのが多いそうだ。

 監督にしてもシニアでもまれている選手を使った方が、チームが勝つ確率は上がる。実際、大谷も1、2年のころは野球部の練習試合に駆り出されたことがあったという。

 大谷が中2の秋、野球部の監督になった太田和成(38)はしかし、そうは考えなかった。

「中学の野球部では、中学の野球部で頑張っている生徒に活躍させたかったのです。大谷はシニアで活躍していたし、中途半端に試合に出るくらいなら、出ない方がいいと……」

 そう考えた太田はある日、大谷を呼んで、「おまえはもう、中学校の試合には出なくていいだろ?」と伝えた。

 すると本人は間髪を入れず、 

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