著者のコラム一覧
渡辺勘郎ノンフィクションライター

59年8月、東京都墨田区生まれ。中大法学部卒業後、週刊文春編集部を経て独立。フリージャーナリストとして、野球を中心に著書多数。

「いつもアウェー。ひとりでも応援してくれる人がいればそれでよかった」

公開日: 更新日:

 空前の人気だった若貴ブームの真っ最中に土俵を務めた武蔵川親方は当時のことを「いつもアウェーだった」と振り返る。

「だけど、気にしなかったよ。確かにアウェーだけど、会場の中の全てが相手のファンじゃない。私を応援してくれるファンもいた。それがひとりでもいればいい、と思ってた。1万人収容の会場だったとして、1人、2人は私のファンがいる。その1人、2人のために戦うよ、と、そういう気持ちだった。自分の相撲に集中すればいいんだよ。私は好きなことやってるからね。相撲が好きだから、あまり苦労と思わない。相撲から離れたくないんだ。ハワイに帰っても相撲を教えられない。相撲はあるけどアマチュアで、やっぱり、自分がやってたプロの世界がいい。大相撲がいい」

 外国出身者としては高見山に次ぐ2人目の部屋持ち親方になる決意をした背景には、そんな思いがあった。おかみさんが背中を押してくれたという。

「好きなことをやればいい、って言ってくれたからね。やらなければ何も始まらない、と思って、やることにした。(一年の半分は地方場所と巡業で)ほとんど会わないけどね」

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阪神・梅野がFA流出危機!チーム内外で波紋呼ぶ起用法…優勝M点灯も“蟻の一穴”になりかねないモチベーション低下

  2. 2

    梅野隆太郎は崖っぷち…阪神顧問・岡田彰布氏が指摘した「坂本誠志郎で捕手一本化」の裏側

  3. 3

    「高市早苗首相」誕生睨み復権狙い…旧安倍派幹部“オレがオレが”の露出増で主導権争いの醜悪

  4. 4

    巨人・戸郷翔征は「新妻」が不振の原因だった? FA加入の甲斐拓也と“別れて”から2連勝

  5. 5

    国民民主党「選挙違反疑惑」女性議員“首切り”カウントダウン…玉木代表ようやく「厳正処分」言及

  1. 6

    時効だから言うが…巨人は俺への「必ず1、2位で指名する」の“確約”を反故にした

  2. 7

    パナソニックHDが1万人削減へ…営業利益18%増4265億円の黒字でもリストラ急ぐ理由

  3. 8

    ドジャース大谷翔平が3年連続本塁打王と引き換えに更新しそうな「自己ワースト記録」

  4. 9

    デマと誹謗中傷で混乱続く兵庫県政…記者が斎藤元彦県知事に「職員、県議が萎縮」と異例の訴え

  5. 10

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず