漏れてきた“不協和音” なでしこ「イングランド戦」の不安材料
連係が必要な川澄との関係も微妙だ。W杯準々決勝オーストラリア戦の後半39分、大儀見は川澄からのアーリークロスに右足で合わせたものの、決定機ともいえるシュートを外した。
前回W杯でポジションを奪われたことに加え、川澄は澤と同じマネジメント会社に所属した。それ以降、「川澄との距離はますます広がったように思う」(前出のジャーナリスト)という声も聞こえてくるのだ。
■川澄はいまだ得点なし
もっとも、その川澄も大儀見と並んで今大会、精彩を欠いている。前回のW杯では「シンデレラガール」として脚光を浴び、今回は本来、押しも押されもせぬレギュラーの位置付け。コンディションも万全にしてカナダに乗り込みながら、しかし、いまだ得点シーンは見られず、随所に消極的なプレーも見られる。
ここまで5試合のうち先発出場は3試合。1次リーグの対エクアドル戦は欠場した。ポジションがかぶるケースの多い大野が、全試合に出場しているのとは対照的だ。
「前線でフルに走りまくり、相手にプレッシャーをかけ続ける大野忍がバテたことで、その入れ替わりで川澄投入のシーンもあった。川澄は焦れば焦るほど深みにはまり、空回りしているようにも見えます」とは前出のジャーナリスト。
こちらも問題はメンタルというのである。
大儀見と川澄。なでしこを代表する主力2人がスランプで、その関係も複雑とくれば、W杯準決勝という大一番で佐々木監督がいう「全員攻撃、全員守備」にほころびが出ないか心配だ。