腐った平昌五輪 政治ショー化で問われる“祭典”の存在意義

公開日: 更新日:

 今の五輪は多額の資金を要し、大会後の施設維持、利用の問題もある。拡大する商業化、ドーピングへの批判も絶えない。

 2022年の冬季五輪が北京に決まったのも、巨額費用の負担に国民から反対の声が上がった国が次々に立候補を取りやめ、アルマトイ(カザフスタン)との一騎打ちになったからだ。

 スポーツライターの工藤健策氏が言う。

「24年のパリ五輪、28年ロサンゼルス五輪が一括決定したのは、開催に立候補する国が相次いで撤退し、24年大会の有力候補だった2つの都市に開催権を振り分けたからです。パリもロスも夏季五輪は3度目の開催ですが、先進国でさえ五輪開催に興味を失っている国は少なくない。五輪の存在意義が問われているからこそ、バッハ会長は分断国家の韓国と北朝鮮を1つにするキューピッド役になりたいのでしょう。五輪はスポーツだけでなく、平和の祭典でもあるとアピールしたいはずです」

 韓国で取材中の太刀川正樹氏(ジャーナリスト)も次のように語る。


「韓国国民の多くは、なぜIOCが北朝鮮寄りの参加条件を認めたのかと、不思議に思っています。その裏には、ドイツ人であるバッハ会長個人の野心があると解説する人もいる。母国で国家分裂の悲劇を知っているバッハ会長は、韓国と北朝鮮との関係改善、統一に向けて今回の五輪がきっかけになれば、自分はノーベル平和賞が狙えるというのです」

 オリンピックはここまで腐ってしまったか……。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    西武フロントの致命的欠陥…功労者の引き留めベタ、補強すら空振り連発の悲惨

    西武フロントの致命的欠陥…功労者の引き留めベタ、補強すら空振り連発の悲惨

  2. 2
    西武の単独最下位は誰のせい? 若手野手の惨状に「松井監督は二軍で誰を育てた?」の痛烈批判

    西武の単独最下位は誰のせい? 若手野手の惨状に「松井監督は二軍で誰を育てた?」の痛烈批判

  3. 3
    巨人・小林誠司の先制決勝適時打を生んだ「死に物狂い」なLINE自撮り動画

    巨人・小林誠司の先制決勝適時打を生んだ「死に物狂い」なLINE自撮り動画

  4. 4
    全国紙が全国紙でなくなる?「新聞販売店」倒産急増の背景…発行部数の激減、人手不足も一因に

    全国紙が全国紙でなくなる?「新聞販売店」倒産急増の背景…発行部数の激減、人手不足も一因に

  5. 5
    花巻東時代は食トレに苦戦、残した弁当を放置してカビだらけにしたことも

    花巻東時代は食トレに苦戦、残した弁当を放置してカビだらけにしたことも

  1. 6
    日本ハムは過去2年より期待できそう 新外国人レイエスが見せつけた恐るべきパワー

    日本ハムは過去2年より期待できそう 新外国人レイエスが見せつけた恐るべきパワー

  2. 7
    大谷はアスリートだった両親の元、「ずいぶんしっかりした顔つき」で産まれてきた

    大谷はアスリートだった両親の元、「ずいぶんしっかりした顔つき」で産まれてきた

  3. 8
    【中日編】立浪監督が「秘密兵器」に挙げた意外な名前

    【中日編】立浪監督が「秘密兵器」に挙げた意外な名前

  4. 9
    WBCの試合後でも大谷が227キロのバーベルを軽々と持ち上げる姿にヌートバーは舌を巻いた

    WBCの試合後でも大谷が227キロのバーベルを軽々と持ち上げる姿にヌートバーは舌を巻いた

  5. 10
    裏金自民に大逆風! 衆院3補選の「天王山」島根1区で岸田首相の“サクラ”動員演説は大失敗

    裏金自民に大逆風! 衆院3補選の「天王山」島根1区で岸田首相の“サクラ”動員演説は大失敗