ヒラ降格で発言力低下 孤立の貴乃花親方は新団体を設立か

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 慣例では、理事選に敗れた貴乃花親方の肩書は現在の役員待遇委員からヒラの委員に降格する。報酬は理事の月額144万8000円に対して、委員は103万2000円。

 委員は原則、理事会に出席できず、採決にも加われない。昨年12月28日に解任されるまで4期連続で理事を務めていた貴乃花親方の協会内における権限、発言力は大きく低下することになる。

 どんな組織であれ、モノをいうのはカネと権限だ。悲しいかなそれが現実で、これを手にして初めて、自らの理想を実現できる。協会改革を謳う貴乃花親方は今回、そのどちらも失った。

 いや、私には仲間がいる――そう前を向いてみても、得票2という結果は残酷だった。実は多く潜んでいるなんて言われた「隠れシンパ」が幻想だったことが露呈。それだけ組織の締め付けが厳しかったとしても、それを突っぱねてまで貴乃花親方に共感する同志はいなかったということだ。

「それどころか、身内から造反者まで出た。貴乃花親方が理事選前日まで4回以上も一門会を開いたのも、不安の表れだったと思う。最後には、『みなの票は阿武松親方に入れてくれ』と言い、自身は玉砕覚悟の出馬と悲劇のヒーローを演じたものの、貴乃花親方に言われずとも、一門内は阿武松親方支持で固まっていた。エキセントリックなまでに協会との対立姿勢を露わにした一連の貴乃花親方の言動には、シンパの中にも首をかしげているのが少なくありません。特に裏金顧問との密接な関係には嫌悪感が強く『見損なったし、失望した』と吐き捨てるシンパの親方もいるのです」(ある親方)

 カネと権限を失い、人も去っていくとすれば、貴乃花親方にはこれ以上、協会にとどまる理由はないのではないか。

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