著者のコラム一覧
森山高至建築エコノミスト

1級建築士。1965年生まれ。岡山県井原市出身。岡山県立井原高から早大理工学部建築学科に進学し、88年に卒業。斎藤裕建築研究所を経て、91年に株式会社アルス・ノヴァを設立し、代表に就任。04年に早大政治経済学部大学院経済学修士課程を修了した。建築家として関わった物件は1000件以上。長崎県の大村市協定強建替え基本計画策定など、公共建設物のコンサルティングに携わるほか、マンガの原作などの仕事も手掛ける。主な著書に「非常識な建築業界 『どや建築』という病」がある。

新国立競技場は“負の遺産”へ一直線 施設維持に年間24億円

公開日: 更新日:

●デザイン=18点

 1964年の五輪では、新幹線や首都高速の開通とも連動した時代を象徴するような記念碑的建築物が建てられたが、新国立競技場にはそのような時代性は見受けられない。樹木を生かすというテーマが掲げられたものの、数十年で大きく育った神宮の杜の敷地樹木は切られてしまった。しかも、木造そのものではなく、使用された木の素材は、鉄骨やコンクリート部材の表面を飾る薄板に過ぎなかったのだ。

●アスリート目線=12点

 大会終了後は球技(サッカー)専用に改修し、民間活用に委ねるとしていたが、現在その可能性はなくなっている。引き続き陸上の聖地としてアマチュアスポーツ中心で活用できるのかというと、国際大会基準のサブトラックが併設されていないため難しい。

●周辺との融和性=14点

 旧国立競技場では、旧日本青年館と明治公園にも連なる木陰や広場機能があった。貴重な都市のオアシスとして競技場周辺の道路も含めた都市的活用がなされていたが、現状はそうした他施設との連携機能も失っている。

■総合評価=61点

【連載】東京五輪会場を丸裸にする

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