著者のコラム一覧
武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

高校野球が抱える数々の矛盾…コロナ禍は抜本的改革の好機

公開日: 更新日:

 同じ話を、亡くなった関根潤三からも聞いた。宮城県石巻に伝統の日和倶楽部があり、オーナーだった毛利理惣治の息子の光雄が、関根さんと日大三中の同期。その縁で招待され、米をもらったという。北上川河口の石巻は米の集散地だった。野球殿堂入りした阪神・若林忠志も疎開し、敗戦直後の10月、石巻で米軍との友好試合を開いた。これが戦後初の野球大会ではなかったか。

■「長嶋に申し訳ない」

 仙台の二階堂、石巻の毛利、岩手・一関中の田村泰延が敗戦直後の東北三羽ガラスで、田村―二階堂―毛利の順に晴れ舞台に立った。二階堂たちが最後の中学球児で、翌年の学制改革で毛利たちが最初の高校球児になる。

 叔父は、仙台二中の甲子園メンバーの最後の生き残りだった。3月に亡くなった元セ・リーグ事務局長の渋沢良一が同期で、叔父は雑誌社にいた頃の渋沢に頼まれ、卒業前の長嶋茂雄を呼び出したそうだ。そこで長嶋が南海から巨人に鞍替えしたことを掴んだ渋沢がすっぱ抜いた。叔父は「長嶋には申し訳ないことをした。書かないと約束したのに」と恨んでいた。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    冷静になれば危うさばかり…高市バブルの化けの皮がもう剥がれてきた

  2. 2

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  3. 3

    大関取り安青錦の出世街道に立ちはだかる「体重のカベ」…幕内の平均体重より-10kg

  4. 4

    藤川阪神で加速する恐怖政治…2コーチの退団、異動は“ケンカ別れ”だった

  5. 5

    維新・藤田共同代表に自民党から「辞任圧力」…還流疑惑対応に加え“名刺さらし”で複雑化

  1. 6

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  2. 7

    小野田紀美経済安保相の地元を週刊新潮が嗅ぎ回ったのは至極当然のこと

  3. 8

    前田健太は巨人入りが最有力か…古巣広島は早期撤退、「夫人の意向」と「本拠地の相性」がカギ

  4. 9

    「しんぶん赤旗」と橋下徹氏がタッグを組んだ“維新叩き”に自民党が喜ぶ構図

  5. 10

    歪んだ「NHK愛」を育んだ生い立ち…天下のNHKに就職→自慢のキャリア強制終了で逆恨み