岩村明憲は垢抜けない野球小僧 味方も多いが敵も多かった
若い頃は、ちょっと生意気なところもありました。自分に対する自信が過信になっていたのか、態度にも出ていました。だから、岩村は味方も多いけど、敵も多い。彼の本質を知っていれば気にならないことでも、深く付き合わずにうわべだけ接している人にすれば、「なんだ、横柄なやつだ」と映ってしまう。
■オレの力を見せてやる
メジャーに挑戦するときも、自信たっぷりでした。彼は2006年オフにポスティングでレイズに入団。僕はそれ以前に岩村自身から「メジャーに行きますよ」とは聞いていましたが、挑戦というよりは「オレの力を見せてやる!」という雰囲気。僕の考えは、「メジャーで通用する日本人はイチローのような俊足巧打タイプ」。でも、岩村がメジャーは夢だと言っている以上、「頑張れ」と言うしかなかった。
実際、メジャーでは最初の07、08年は活躍しましたが、その後はケガもあって、本人が描いていた理想通りにはいきませんでした。そうした経験が岩村を成長させたのか、10年オフに楽天で日本復帰を果たすと、自分勝手好き勝手だった昔の姿はありませんでした。