貴景勝を待つ綱とりの苦難…押し一本と横綱相撲の固定観念

公開日: 更新日:

 一年の締めくくりの場所を最高の形で飾った。

 11月場所で自身2度目の賜杯を掴んだ貴景勝(24)。大関としては初めての優勝だけに本人の喜びもひとしおだったのだろう。23日の一夜明け会見では場所前に結婚していたことを明かし、綱とりがかかる来場所についても「しっかり勝負していきたい」と前を向いた。

【写真】この記事の関連写真を見る(14枚)

 横綱昇進基準は「2場所連続優勝、あるいはそれに準ずる成績」。今場所は13勝2敗での優勝とはいえ、2横綱2大関を欠いたライバル不在の土俵だった。伊勢ケ浜審判部長(元横綱旭富士)も「(1月場所は)レベルの低い優勝だと困る」と話しており、準優勝では昇進見送り、勝っても相応の成績が求められる。

 さらに貴景勝のような押し相撲一本で横綱になった力士は、過去ひとりもいない。四つ相撲と違って安定感を欠く取り口が昇進を困難にしているからだ。仮に横綱になったら「受けて立つ四つ相撲を取るべきだ」という批判も出かねない。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  2. 2

    阪神・佐藤輝明にライバル球団は戦々恐々…甲子園でのGG初受賞にこれだけの価値

  3. 3

    FNS歌謡祭“アイドルフェス化”の是非…FRUITS ZIPPER、CANDY TUNE登場も「特別感」はナゼなくなった?

  4. 4

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  5. 5

    新米売れず、ささやかれる年末の米価暴落…コメ卸最大手トップが異例言及の波紋

  1. 6

    兵庫県・斎藤元彦知事らを待ち受ける検察審の壁…嫌疑不十分で不起訴も「一件落着」にはまだ早い

  2. 7

    カズレーザーは埼玉県立熊谷高校、二階堂ふみは都立八潮高校からそれぞれ同志社と慶応に進学

  3. 8

    日本の刑事裁判では被告人の尊厳が守られていない

  4. 9

    1試合で「勝利」と「セーブ」を同時達成 プロ野球でたった1度きり、永遠に破られない怪記録

  5. 10

    加速する「黒字リストラ」…早期・希望退職6年ぶり高水準、人手不足でも関係なし