五輪代表選考会が幻に? 1980年以来“2度目の悲劇”に現実味

公開日: 更新日:

IOC(国際オリンピック委員会)によれば、東京五輪の代表枠は6割しか決まっていない。国内も全33競技339種目で約600人の代表が決まることになっているのだが、選考を終えているのは陸上の一部(16人)に、柔道テコンドー卓球スポーツクライミング、自転車。約8割の代表は、3月以降の国内選考会などで決まる予定です。でも、3月下旬に五輪中止が決まれば、代表選考会は幻の代表選びとなる。それこそ悲劇です。指導者は選手を鼓舞する言葉が見つからないでしょう」

 東京五輪が中止なら、代表選考会を行う必要はないと思うのだが、そうはいかない。「悲劇」には前例がある。1980年のモスクワ五輪のボイコットだ。

 日本は東西冷戦のあおりを受けて、米国の方針に追随。政治的な理由から五輪まで2カ月を切った5月24日にボイコットを決めた。

 しかし、日本オリンピック委員会(JOC)は代表選手の名簿を作成しなければならず、柔道はその翌日に日本選手権を行い、JOCの山下泰裕現会長は95キロ超級で優勝。幻の「モスクワ五輪代表」になり、涙にむせんだ。陸上もボイコットの1週間後に代表選考会を行ったが、優勝者に大きな感動はなかった。

 2度目の悲劇は見たくない。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    松井秀喜氏タジタジ、岡本和真も困惑…長嶋茂雄さん追悼試合のウラで巨人重鎮OBが“異例の要請”

  2. 2

    7代目になってもカネのうまみがない山口組

  3. 3

    巨人・田中将大と“魔改造コーチ”の間に微妙な空気…甘言ささやく桑田二軍監督へ乗り換えていた

  4. 4

    福山雅治のフジ「不適切会合」出席が発覚! “男性有力出演者”疑惑浮上もスルーされ続けていたワケ

  5. 5

    打者にとって藤浪晋太郎ほど嫌な投手はいない。本人はもちろん、ベンチがそう割り切れるか

  1. 6

    文春が報じた中居正広「性暴力」の全貌…守秘義務の情報がなぜこうも都合よく漏れるのか?

  2. 7

    DeNA藤浪晋太郎がマウンド外で大炎上!中日関係者が激怒した“意固地”は筋金入り

  3. 8

    収束不可能な「広陵事件」の大炎上には正直、苛立ちに近い感情さえ覚えます

  4. 9

    横浜・村田監督が3年前のパワハラ騒動を語る「選手が『気にしないで行きましょう』と…」

  5. 10

    吉村府知事肝いり「副首都構想」に陰り…大阪万博“帰宅困難問題”への場当たり対応で露呈した大甘な危機管理