東京五輪・パラ組織委「女性理事」大幅増員のいまさら感

公開日: 更新日:

 単に体裁を整えただけだ。

 東京オリンピック・パラリンピック大会組織委員会は2日に理事会を開き、橋本聖子会長(56)は女性理事の比率を引き上げることを提案し、協議した。3日にも評議員会が開かれ、新しい理事が選任される。

 森喜朗前会長(83)が女性蔑視発言で辞任。スポーツ団体も女性役員の数が少ないことが注目され、橋本新会長は就任会見で組織委員会の女性理事の比率を40%以上に引き上げる方針を打ち出した。これにより、現在33人(女性7人)の理事を45人に増やし、女性理事を12人増の19人(約42%)にする。2日には荒木田裕子理事(1976年モントリオール五輪女子バレーボール金メダル)が副会長に選出された。

 国士舘大非常勤講師でスポーツライターの津田俊樹氏が言う。

「公益財団法人である組織委員会の定款には、理事は<3名以上35名以内>とある。今でも人数が多いといわれている。しかも、コロナ禍で開催するかどうかもわからないが、東京五輪の開幕(7月23日)まで5カ月を切っている。大会終了後に総括などの仕事があるにしても、法人にとって“憲法”ともいえる定款をこの時期に変更し、女性理事だけを大幅に増やす意味があるのか。女性の理事を増やすなら現行の枠内でやればいいのです。組織委員会としては森前会長の色を払拭し、ジェンダー平等の推進を国内外にアピールしたいのでしょうが、人数合わせの感は否めず、納得する人はどれだけいるのか疑問です」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    注目集まる「キャスター」後の永野芽郁の俳優人生…テレビ局が起用しづらい「業界内の暗黙ルール」とは

  4. 4

    柳田悠岐の戦線復帰に球団内外で「微妙な温度差」…ソフトBは決して歓迎ムードだけじゃない

  5. 5

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    ローラの「田植え」素足だけでないもう1つのトバッチリ…“パソナ案件”ジローラモと同列扱いに

  3. 8

    ヤクルト高津監督「途中休養Xデー」が話題だが…球団関係者から聞こえる「意外な展望」

  4. 9

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  5. 10

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?