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後藤逸郎ジャーナリスト

1965年生まれ。毎日新聞大阪経済部次長、東京本社特別報道グループ編集委員などを経て現職。著書に「オリンピック・マネー 誰も知らない東京五輪の裏側」(文春新書)。

日本メディアは中立を捨て五輪の利害関係者となった

公開日: 更新日:

 東京2020オリンピック・パラリンピック大会で、政府や大会組織委員会、東京都、国際オリンピック委員会(IOC)が訪日外国人客受け入れ中止に動き出した。開催に伴う新型コロナ感染爆発リスクのひとつが解消に向かい始めたものの、ここに至るまで日本の大手メディアの報道は鈍い。

 訪日外国人客受け入れの最大の問題は、入国後2週間待機や公共交通機関利用制限を免除する政府方針だ。「観戦に支障がある」から対策を緩める政府の異常さをとがめ、感染爆発リスクを指摘する報道はほとんどなかった。

「相当数の各国オリンピック委員会(NOC)が東京大会に先立ったワクチン接種を担保している。日本に対して大事なメッセージだと思っている」

 3日の5者協議で、IOCのバッハ会長は述べ、選手自身の感染や、大会後の感染爆発リスクを懸念する日本国民を気遣ってみせた。

 だが、IOCは選手や関係者向けの指針「プレーブック」で、ワクチン接種を義務付けていない。世界保健機関(WHO)は、ワクチン接種の義務化に否定的だ。バッハ会長は新型コロナで「WHOの助言に従う」としながら、NOCへワクチン接種を促す“二枚舌”をまたも駆使した。

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