出場選手「ワクチン優先接種」実施なら五輪中止のトドメに
まさに火に油――である。
7日に「政府が検討」と報じられた、東京五輪出場アスリートへのワクチン優先接種。開幕直前となる6月下旬までに、選手に2回の接種を行う方向で調整に入る……というものだ(丸川五輪相は9日、同報道を完全否定)。
本来、ワクチン接種はまず医療従事者、次いで高齢者、基礎疾患持ちと定められている。ただでさえ、予定より接種が遅れている中、健康なアスリートを割り込ませるというのだから、批判が出ないわけがない。
精神科医の香山リカ氏が、自身のツイッターで「まだ接種の順番が来ない私のいる医療機関のようなところのスタッフが、選手のみなさんに接種するために召集されるのですね、わかります……」と皮肉れば、ドキュメンタリー映画監督の五百旗頭幸男氏も「変異株感染者が1カ月で14倍に膨れ上がり第4波が迫る中で本来検討すべきなのは、五輪の中止だ」と提言している。
作家の盛田隆二氏も医療従事者らを優先した後で、「五輪選手の接種を開始すべきだろう」と述べている。