立川談四楼氏「問題山積の五輪をどんな気持ちで迎えれば」

公開日: 更新日:

立川談四楼(落語家)

 私が中学1年生だった1964年の東京五輪は選手名から記録まで、いくらでもそらんじられるほど、鮮明に覚えています。

 開会式3日前から降り続いた雨は、当日の10月10日には上がり、雲ひとつない晴れた青空をブルーインパルスが飛んで空中に五つの輪を作った。そこへ選手団が入場し、会場も、テレビで見ている私たちの熱狂も最高潮に達した。それから連日、オリンピックに釘付けだった。100メートルの決勝は国立競技場まで観戦に行って、ボブ・ヘイズ(米=2002年没)が10秒ジャストで優勝した瞬間にも居合わせたんです。

 大会後、母校の卒業生で、レスリング(フリースタイル57キロ級)で優勝した上武洋次郎さん(現・小幡姓)が金メダルを持って中学校に凱旋しました。金メダルの輝き、デカさ、重さに感動したものです。五輪が身近に感じられて、68年メキシコ五輪、72年ミュンヘン五輪……と、私の熱は冷めなかった。

■胸を打ったあのオリンピックはどこへやら

 しかし、東京2020はどうでしょうか。招致の段階から原発を「アンダーコントロール」とウソついたところから始まり、国立競技場のゴタゴタ、エンブレム盗作、贈賄、マラソン開催地の移転、お台場の海水に含まれた大腸菌……。すぐに思いつくだけでも、これだけ問題がある。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  2. 2

    マエケンは「田中将大を反面教師に」…巨人とヤクルトを蹴って楽天入りの深層

  3. 3

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  4. 4

    SBI新生銀が「貯金量107兆円」のJAグループマネーにリーチ…農林中金と資本提携し再上場へ

  5. 5

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  1. 6

    陰謀論もここまで? 美智子上皇后様をめぐりXで怪しい主張相次ぐ

  2. 7

    白木彩奈は“あの頃のガッキー”にも通じる輝きを放つ

  3. 8

    渋野日向子の今季米ツアー獲得賞金「約6933万円」の衝撃…23試合でトップ10入りたった1回

  4. 9

    12.2保険証全面切り替えで「いったん10割負担」が激増! 血税溶かすマイナトラブル“無間地獄”の愚

  5. 10

    日本相撲協会・八角理事長に聞く 貴景勝はなぜ横綱になれない? 貴乃花の元弟子だから?