立川談四楼氏「問題山積の五輪をどんな気持ちで迎えれば」

公開日: 更新日:

 それらを抱えたままコロナ禍に突入して、いよいよ不信感が増すことになった。

 いま、多くの落語家は苦境に立っています。私の場合、以前は月10回ほどあった地方営業は、ほとんどなくなった。結婚式の司会などの副業も飛びました。落語家は個人事業主だから正直、苦しい。十分な補償もなく、これじゃ食えないからってアルバイトを始めた若い落語家が、そのまま業界を離れてしまった例も聞きました。

 それでも政府を信じて、ひたすらに我慢してきた。でも、国の政策を見たら、やっていることがめちゃくちゃです。舞台観賞はよくて映画はダメとか、その根拠も示さないまま「我慢しろ」としか言わない。要請に従って寄席を閉じても、協力金は1日たったの2万円ぽっきり。いたぶるのもいいところです。

 だから落語界は今年の4月、緊急事態宣言が発出される直前に、「寄席は社会生活に必要なものだから、やる」って意地を見せた。でも、すぐに都や国からプレッシャーがかかって……。

 そんな折に、落語ファンを自称する加藤勝信官房長官が「寄席」を「よせき」なんて読み上げやがった。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    新生阿部巨人は早くも道険し…「疑問残る」コーチ人事にOBが痛烈批判

  2. 2

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  3. 3

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  4. 4

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  5. 5

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  1. 6

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  2. 7

    維新・藤田共同代表にも「政治とカネ」問題が直撃! 公設秘書への公金2000万円還流疑惑

  3. 8

    35年前の大阪花博の巨大な塔&中国庭園は廃墟同然…「鶴見緑地」を歩いて考えたレガシーのあり方

  4. 9

    米国が「サナエノミクス」にNO! 日銀に「利上げするな」と圧力かける高市政権に強力牽制

  5. 10

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性