東京五輪「無観客」開催と7月8日決定か…飛び交う菅政権のシナリオ

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 心配された通り、新型コロナの感染拡大が止まらなくなってきた。27日の東京の新規感染者は386人。これで8日連続、前週の同じ曜日を上回った。もはや7月11日に期限を迎える「まん延防止等重点措置」の解除は難しい状況である。延長は確定的だ。はやくも政界では、東京五輪の観客数について「菅首相は7月8日、無観客開催を決定する」という情報が飛び交っている。

 ◇  ◇  ◇

 現在、東京都を含む10都道府県に発令されている「重点措置」について、当初、菅政権は期限通り7月11日に解除する予定だった。しかし、新型コロナの感染者が急増し、シナリオは崩壊している。「重点措置」の解除どころか、「緊急事態宣言」の再発令に追い込まれかねない状況だ。

 東京五輪の観客数は、政府のイベント制限に準拠し、「緊急宣言」や「重点措置」が解除された場合は上限1万人、発令中は上限5000人となっている。5000人は入れられる。

 しかし、菅政権は、「無観客」で行うと腹をくくったという話が流れている。具体的なスケジュールまで流布されている。

「いま発令されている“重点措置”を7月11日(日)に解除するかどうかは、7月8日(木)、専門家に諮問して決定されます。間違いなく延長になるでしょう。場合によっては“緊急宣言”に切り替わる。菅首相はその日の夜、『安心安全のために、東京五輪は無観客で行いたい』と記者会見で発表するとみられています。ミソは、7月6日に五輪観戦者の抽選結果が発表されることです。抽選は観客1万人を想定して行われます。もし、7月11日以降も“重点措置”が延長されたら、もう一度、観客を5000人にして再抽選しなくてはならない。しかし、再抽選となったら混乱必至です。時間もない。混乱を避けるためには無観客にするしかない。本当は観客を入れたいのでしょうが、その時、菅首相は『国民の安全安心のためだ』と強調するシナリオだといいます」(政界関係者)

「天皇 五輪懸念“拝察”」発言も後押し

「無観客」にするかどうか――。宮内庁長官の<天皇 五輪懸念「拝察」>発言も大きいとみられている。24日、西村長官は、「陛下は感染状況を大変心配されている。開催が感染拡大につながらないか、懸念されていると拝察している」と記者会見で発言している。

 宮内庁長官が記者会見を行った2日前、菅首相は皇居に行き、天皇に内奏している。当然、東京五輪についても話が出たはずだ。

「宮内庁長官の“拝察発言”を、国民の多くは、陛下のお気持ちだと受けとめたはずです。もし、菅首相が“無観客”に方針を一転させても、陛下のお気持ちに応えられたと国民は考えるはず。だから、批判はされない。菅周辺は、そう判断しているようです」(自民党事情通)

 五輪を「無観客」でやるなら、一日でも早く発表した方がいい。7月6日に抽選結果を発表し、当選者をぬか喜びさせるのは最悪である。

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