極貧打・V逸巨人の仁義なき大補強! “強奪標的”は好物の中日優良助っ人「主砲ビシエド」

公開日: 更新日:

 7連敗を喫した12日にリーグ優勝の可能性が消滅した巨人。13日の阪神戦は2―2の引き分けで連敗は止まらなかった。シーズンでの7連敗以上は、2017年に球団ワーストの13連敗を喫して以来の屈辱である。

 巨人がリーグ優勝を逃すと、オフは「大型補強」に乗り出すと相場は決まっている。優勝してもやるのだが、例年以上に仁義なきものになるのが通例である。

 前回のV逸は18年だ。この年のオフ、4年ぶりに復帰した原辰徳監督(63)は広島からFAで丸を5年総額25億5000万円で獲得。同じくFAで西武から炭谷を引き入れた。新外国人では投打の救世主としてビヤヌエバとクック、その他にも中島、岩隈も獲得。総額50億円規模ともいわれる大補強を行っている。

 11日のドラフトで指名した7人中6人が投手だった。投手陣の台所事情は苦しいが、打撃陣もピリッとしない。この日の引き分けを含めた7連敗中、挙げた得点は2、0、0、2、1、1、1、2。8試合連続で2得点以下となり、リーグワースト2位のチーム打率.243の貧打にあえぐ。今季加入した3人の新外国人選手が全滅だったことも影響している。

 まずテームズは4月の一軍デビュー戦で守備の際に右アキレス腱を断裂して帰国。8月に自由契約となった。スモークは34試合で打率.272、7本塁打だったが、コロナ禍の折、家族が来日できないことでホームシックになってしまい、6月に帰国した。さらに8月に入団したハイネマンも、9月30日に体調不良を理由に帰国すると発表。今季加入した外国人野手3人全員がシーズン途中で帰国する異例の事態となった。

 そのため、巨人は「実績のある国内他球団の助っ人」に注目。ターゲットは中日の4番を務めるダヤン・ビシエド内野手(32)だという。

■18年に首位打者&最多安打

 13日現在、打率.279、チームトップの17本塁打、68打点。今季の年俸は3億5000万円で総額11億円の3年契約が切れるため、去就に注目が集まっているのだ。

 18年には打率.348で首位打者、178本で最多安打のタイトルを獲得した。この優良助っ人に対し、中日は残留を要請する方針を固めている。

家族で名古屋に在住だが…

 さる球界関係者がこう言う。

「多くの助っ人は米国などに家族を残して来日するが、ビシエドは家族で名古屋に住んでいる。長男は地元の小学校に通う6年生。名古屋市内の少年野球チームに入っていて、ビシエドは頻繁に応援に駆け付けている。その長男は今年から『ドラゴンズベースボールアカデミー』にも入校。名古屋という土地に愛着があるのは確か。ビシエドの引き留めは、立浪和義監督の就任が内定した新生・中日の今オフの最重要課題。水面下では下交渉が始まっているが、再契約には総額11億円以上、年俸では4億円程度は必要になる。カネにシビアな中日でこれ以上は厳しいのではないかとの見方が広がっています」

 そうなると巨人の出番だ。巨人は今季5位に沈む中日に10勝12敗3分けと痛恨の負け越し。これがV逸の要因の一つとなった。

■巨人をカモにする中日の4番

 原監督は常々、「FA補強というのは、我々の戦力を増強させるのはもちろん、他球団の戦力をそぐ意味もあるんだ」と力説している。ビシエドはチーム打率.238の貧打にあえぐ中日で孤軍奮闘している4番打者。さらに今季の巨人戦は打率.321、5本塁打、19打点とセ・リーグで最もカモにした。

「ビシエド補強」は、まさに原監督の方針に合致するといえる。今季加入したテームズ、スモーク、ハイネマン、中田はいずれも戦力にならなかったが、この1年で大砲候補を何人も補強しているだけで、原監督がいかに欲しがっているかがよく分かる。

 17年に中日で本塁打王となった年俸1億5000万円のゲレーロを2年総額8億円の好条件を提示し、獲得した前例もある。巨人は中日の優良助っ人が大好きなのだ。

 ビシエドは昨季、セ・リーグの一塁部門でゴールデン・グラブ賞を受賞するなど、守備面での貢献度が大きいのも原監督好み。そうなると、一塁が本職の中田は冷や飯食いが確定するが、「競争すればいいだけの話」というのが巨人の理屈だ。

 V逸した年は補強に湯水のごとくカネを使う。残留か移籍か――。竜の主砲の動向をV逸巨人も注視している。

*この記事の関連【動画】もご覧いただけます。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    永野芽郁は疑惑晴れずも日曜劇場「キャスター」降板回避か…田中圭・妻の出方次第という見方も

  2. 2

    紗栄子にあって工藤静香にないものとは? 道休蓮vsKōki,「親の七光」モデルデビューが明暗分かれたワケ

  3. 3

    「高島屋」の営業利益が過去最高を更新…百貨店衰退期に“独り勝ち”が続く背景

  4. 4

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  5. 5

    かつて控えだった同級生は、わずか27歳でなぜPL学園監督になれたのか

  1. 6

    永野芽郁×田中圭「不倫疑惑」騒動でダメージが大きいのはどっちだ?

  2. 7

    佐々木朗希「スライダー頼み」に限界迫る…ドジャースが見込んだフォークと速球は使い物にならず

  3. 8

    第3の男?イケメン俳優が永野芽郁の"不倫記事"をリポストして物議…終わらない騒動

  4. 9

    風そよぐ三浦半島 海辺散歩で「釣る」「食べる」「買う」

  5. 10

    永野芽郁がANNで“二股不倫”騒動を謝罪も、清純派イメージ崩壊危機…蒸し返される過去の奔放すぎる行状