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山田隆道作家

1976年、大阪生まれ。早大卒。「虎がにじんだ夕暮れ」などの小説を執筆する他、プロ野球ファンが高じて「粘着!プロ野球むしかえしニュース」などの野球関連本も多数上梓。各種スポーツ番組のコメンテーターとしても活躍中。

楽天・田中将大は日米通算200勝まであと19勝…東尾修以来40年ぶりの偉業達成に期待

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 思えば田中は高卒1年目から先発ローテに入って11勝を挙げ、その後も長期の戦線離脱や絶不調などなくコンスタントに勝ち星を重ね続けてきた。彼を語る際にはどうしても13年の24勝無敗という化け物じみた怪記録が取り上げられがちだが、それよりも本当にすごいのは、09年から19年まで日米にわたって11年連続で2桁勝利を継続したことだ。08年の9勝をおまけにすると、実際は07年のプロ入りから13年連続で安定的に勝ち続けてきたのだ。ここが彼と同じ甲子園のスターから早熟の投手となった、松坂大輔ダルビッシュ有とちがうところだろう。田中はなんというか、彼らよりも安定的に太く強いのだ。

 しかし、そんな田中も昨年の日本球界復帰1年目はわずか4勝に終わってしまった。援護点不足という不運もあったとはいえ、これは少し気になるところだ。その前年のヤンキース最後の年も、コロナの影響でMLBが60試合制となったことによってわずか3勝にとどまり、先述した2桁勝利の連続記録を途絶えさせてしまっている。要するに、田中は2年連続で不満足な成績に終わるという、彼の安定したキャリアの中で初めての停滞期を経験しているわけだ。

 だからこそ、今季の田中が2桁勝利の安定レールに戻れるかどうかは重要になってくる。久々に200勝を通過点とする投手を見たいのだ。

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