鈴木良平
著者のコラム一覧
鈴木良平サッカー解説者

1949年6月12日生まれ。東京都世田谷区出身。東海大卒業後の73年、ドイツの名門ボルシアMGにコーチ留学。名将バイスバイラーの薫陶を受け、最上級ライセンスのS級ライセンスを日本人として初取得。84-85年シーズンのドイツ1部ビーレフェルトのヘッドコーチ兼ユース監督。なでしこジャパン初代専任監督。98年福岡ヘッドコーチ。

なでしこ欧州遠征2連勝 WEリーグ得点ランク1、2位の2トップからゴールの予感は漂ってこなかった

公開日: 更新日:

植木のアクロバティックなゴール

 大量点勝ちを素直に喜びたいところだが、菅沢も田中も「国内ではゴールを決めるのに国際大会では沈黙してしまう」傾向が続いており、なでしこの長年の懸案事項である決定力不足改善の難しさが実感させられた。

 植木のチーム4点目はお見事だった。4試合連続ゴール中の植木は、ゴール前左で浮き球に好反応し、胸トラップからアクロバティックな右足ボレーシュートをゴール右にズドンと叩き込んだ。

 いかにもストライカーと呼ぶに相応しいプレーだった。このままスケールアップしていき、1トップを張ってゴールを量産してもらいたい。

 エースのMF岩渕真奈(アーセナル)をケガで欠いた分、この欧州遠征2試合で長谷川の存在感がより際立った。

■長谷川の能力の高さは本物

 ボールを持った瞬間に<局面ごとにベストの攻撃パターンを選択する能力>の高さは本物である。着実にレベルアップしているが、まだまだ伸びしろを感じさせる選手だ。世界のトップ選手の仲間入りする可能性を十二分に秘めている。

 最後にマッチメークについてひと言ーー。

 せっかく欧州まで出向いたのだから、世界ランク上位とは言わないまでも、せめてランクひとケタ台の7位スペイン、8位イングランド辺りと対戦して<なでしこの現在地>を確認したかった。

 2023年7月にオーストラリアとニュージーランドで女子W杯が共催される。なでしこがW杯で上位に返り咲くために何が必要か? 1年前の今、知っておきたかった。

(構成・本紙編集部)

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  2. 2
    大谷2戦連続6号弾 先輩の雄星も驚く「鈍感力」発揮!名門球団の重圧や水原問題もどこ吹く風

    大谷2戦連続6号弾 先輩の雄星も驚く「鈍感力」発揮!名門球団の重圧や水原問題もどこ吹く風

  3. 3
    長渕剛が誹謗中傷に《具合が悪い》と告白…《話があるなら、来てほしい》と性被害告発の元女優に呼びかけ

    長渕剛が誹謗中傷に《具合が悪い》と告白…《話があるなら、来てほしい》と性被害告発の元女優に呼びかけ

  4. 4
    松本人志に文春と和解の噂も、振り上げた拳は下ろせるか? 告発女性の素性がSNSで暴露され…

    松本人志に文春と和解の噂も、振り上げた拳は下ろせるか? 告発女性の素性がSNSで暴露され…

  5. 5
    松本人志“性的トラブル報道”へのコメント 優木まおみが称賛され、指原莉乃が叩かれるワケ

    松本人志“性的トラブル報道”へのコメント 優木まおみが称賛され、指原莉乃が叩かれるワケ

  1. 6
    広末涼子“不倫ラブレター”の「きもちくしてくれて」がヤリ玉に…《一応早稲田だよな?》

    広末涼子“不倫ラブレター”の「きもちくしてくれて」がヤリ玉に…《一応早稲田だよな?》

  2. 7
    佐々木朗希にメジャー球団は前のめりも…ロッテ首脳陣が依然として計算できない脆弱ボディー

    佐々木朗希にメジャー球団は前のめりも…ロッテ首脳陣が依然として計算できない脆弱ボディー

  3. 8
    巨人の得点圏打率.186は12球団最低…チャンスに滅法弱く、立場が危うくなった打者3人の名前

    巨人の得点圏打率.186は12球団最低…チャンスに滅法弱く、立場が危うくなった打者3人の名前

  4. 9
    阪神・岡田監督ようやく取材解禁の舞台裏 もう怖いものなし?今後の報道に忖度生じる可能性

    阪神・岡田監督ようやく取材解禁の舞台裏 もう怖いものなし?今後の報道に忖度生じる可能性

  5. 10
    大谷は徹底した個人主義、思考回路も米国人…ゴジラ松井とはメンタリティーに決定的差異

    大谷は徹底した個人主義、思考回路も米国人…ゴジラ松井とはメンタリティーに決定的差異