三笘薫を見いだした“川崎の目利き”が語る プロ契約までの紆余曲折とW杯8強への期待

公開日: 更新日:

 11月に開幕するカタールW杯最終予選突破の救世主となったのが、ベルギー1部サンジロワーズ所属のMF三笘薫(25)。6月の代表強化マッチ4連戦では、ガーナ戦で1ゴール1アシストを記録するなど、森保ジャパンの主軸に成長したことを印象付けた。また4連戦の総括として「どのように攻めるのか、意識の共有とバリエーションが不足している」と発言。プレー以外でも「日本代表を牽引していくんだ!」という気概を感じさせた。史上初の「W杯8強以上」のカギを握る男を見いだした川崎・強化部の向島建スカウト(56)に聞いた。

 ◇  ◇  ◇

 ──三笘選手のジュニア時代の思い出は?

「薫は、本当に技術が高かった。ジュニアの頃は、ボールを持てば相手をかわしながら、一人で(相手ゴール前までボールを)持っていける子だった。将来、必ず『頭角を現すだろう』と予感させる選手でしたね。ユースを終えたとき、トップに上がれるレベルにありました。日本クラブユース選手権を見ていた人たちからも『そうそう出現する選手じゃない』『あんな(レベルの高い)ドリブルのできる選手なんて普通はいない』という評価を得ていました」

 ──トップとのプロ契約の話を持ちかけたときの三笘選手の反応は?

「こちらから『トップに上がらないか?』と持ちかけたのですが、薫の1学年上の三好康児(ベルギー1部アントワープMF)や板倉滉(ドイツ1部ボルシアMG・DF)が(ユースから)トップチームに上がっても、すぐには(J1の)試合に出られなかった。そういう部分も感じるところがあったのか、薫本人は『まだトップでやれる自信がありません。大学(サッカー部)に行きたい』という返答でした。本来ならユースの選手は、トップチームから声が掛かったらプロ契約を交わす──というのが自然な流れなのですが、もともと薫は進学したいという希望を持っていましたし、実際のところ、ちょっと線が細かったんですよ。筑波大から『ウチのサッカー部に欲しい』という話も来ていましたし、『しっかり育てて(卒業の際は川崎に)戻します』という話をいただきました」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • サッカーのアクセスランキング

  1. 1

    森保ジャパン「W杯初8強入り」の条件とは…世界最速&代表史上最速で本大会切符も、課題だらけ

  2. 2

    森保J攻撃の生命線…FW伊東純也がスタッド・ランスで絶不調の深層 すべてのプレーで《らしさがない》と専門家

  3. 3

    森保J長友佑都 痛々しいまでのハシャギぶり…貴重な代表選手枠にただの「盛り上げ役」は必要なし

  4. 4

    日本代表森保監督の「欧州移住計画」にJが大ブーイング! コーチ陣への不平不満にまで飛び火

  5. 5

    日本代表FW上田綺世に「いくらなんでも」の仰天高評価…明日のバーレーン戦1トップ予想

  1. 6

    J1に異変!2連覇の神戸が開幕から5戦未勝利「3つの元凶」…選手間にはフロント幹部への不信感も広がる

  2. 7

    マインツ佐野海舟「不同意性交疑惑」乗り越え森保Jで“遠藤航の後継者”へ…代表入りほぼ確実

  3. 8

    「あの無口な少年が…」佐野海舟の下半身醜聞に母校関係者は絶句、その意外すぎる評判

  4. 9

    もう「草サッカーのレベル」なのに…キング・カズ「還暦プロサッカー選手」に現実味

  5. 10

    2030年W杯開催100周年記念大会 出場国「48→64」増大案は《金づる中国》と《金満中東》への救済措置か

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    自信なくされたら困るから? 巨人・田中将大がカブス戦登板「緊急回避」の裏側

  2. 2

    ニデック永守重信会長の堪忍袋の緒が切れる? 「売上高4兆円」達成に不可欠な牧野フライスの買収が難航中

  3. 3

    巨人・田中将大の早期二軍落ちに現実味…DeNA二軍の「マー君攻略法」にさえなす術なし

  4. 4

    巨人阿部監督が見切り発車で田中将大に「ローテ当確」出した本当の理由とは???

  5. 5

    茨城県知事の異常な県政を朝日も毎日も報じない不思議…職員13人が自殺?重大事件じゃないか!

  1. 6

    立憲民主党の凋落は自民党以上に深刻…参院選改選組が国民民主党に露骨なスリ寄り

  2. 7

    小芝風花&松坂桃李は勝ち組、清野菜名は貧乏クジ…今期ドラマ「トップコート」所属俳優の泣き笑い

  3. 8

    阿部寛「滑舌問題」はクリアできそうだが…新日曜劇場『キャスター』で国民的俳優が試される“唯一の心配事”

  4. 9

    浜田雅功の休養の裏で着々と進む松本人志との"今夏ダウンダウン完全復帰計画"…プラットフォームに本腰

  5. 10

    誰トク?広がる地方私大の公立化…見送られた千葉科学大は「加計学園」が運営撤退も大学存続