冬季五輪「持ち回り開催」なんて夢物語…IOCは前向き発言で実現必至も難題山積

公開日: 更新日:

■開催都市には条件不利

「例えば、五輪を政治利用したいロシア(14年大会)や中国(22年大会)は冬季五輪の開催実績がある。今回の理事会でIOCは、ウクライナ侵攻で国際社会の制裁を受けているロシアとベラルーシの選手を、個人資格か中立国所属でのみ五輪に出場できる決めた。五輪屋のIOCはロシアに甘い。今後はロシア選手の五輪参加に関し、諸々の条件を撤廃するのではないか。そうなればロシアはIOCに対し『持ち回りの開催都市に入れろ』と言ってくるでしょう。ウクライナ侵攻の結末がどうなるのかわかりませんが、ロシアが開催都市に手を挙げれば、欧米諸国や日本などは必ず反対する。ロシアが開催都市から弾かれたら、友好国を誘って冬季五輪をボイコットするはずです」

 問題は他にもある。

「持ち回り開催の都市に決まっても、財政面の問題や市民の反対により『開催地から降りたい』という都市も出てくるかもしれない。コロナ禍の東京五輪で注目された『開催都市契約』により、開催都市の事情で大会を中止すればIOCから損害賠償を請求される可能性があった。五輪について全権を持つIOCが定めるルールは、当然開催都市には不利なもの。それを黙って受け入れるのか。逆に『どうしても開催都市に入りたい』というところが出てくることも考えられる。いずれにしても、持ち回り開催案が出てくること自体、IOCは追い詰められているということです」(津田氏)

 IOCファーストの五輪なんて消えてもいい。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  2. 2

    農水省ゴリ押し「おこめ券」は完全失速…鈴木農相も「食料品全般に使える」とコメ高騰対策から逸脱の本末転倒

  3. 3

    TBS「ザ・ロイヤルファミリー」はロケ地巡礼も大盛り上がり

  4. 4

    維新の政権しがみつき戦略は破綻確実…定数削減を「改革のセンターピン」とイキった吉村代表ダサすぎる発言後退

  5. 5

    3度目の日本記録更新 マラソン大迫傑は目的と手段が明確で“分かりやすい”から面白い

  1. 6

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  2. 7

    粗品「THE W」での“爆弾発言”が物議…「1秒も面白くなかった」「レベルの低い大会だった」「間違ったお笑い」

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  5. 10

    巨人阿部監督の“育成放棄宣言”に選手とファン絶望…ベテラン偏重、補強優先はもうウンザリ